食養生-ショウガ(20081030)

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食養生-ショウガ(20081030)

2009-02-05

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

10月ももう終わりですね。だんだん寒くなってきましたが、風邪などひいて
いらっしゃいませんか?

今日は漢方薬のお話ということですが、漢方薬によく入っている生薬の一つ、
“生薑(しょうきょう)”=生姜(ショウガ)をとりあげてみましょう。
お料理にもよく使いますし、薬味や付け合せとしても定番ですね。
そして、風邪のときにも活躍してくれるのです。

旬は夏の終わりから秋にかけてです。
とっても日本的、と思いきや、原産はインドです。
そういえば、カレーにも必ず入ってますし、インドの紅茶「チャイ」のスパイスに
ショウガは欠かせないものでした。

この生姜、干したものは”乾姜(かんきょう)”といって、
これもまた漢方薬ではよく配合されている生薬です。
“生”よりも発散する力は弱まりますが、お腹を温める働きが強いのです。

風邪のひきかけ時にしょうが湯を飲むといいのは、
胃腸をあたためて風邪を追い払ってくれるからです。

ピリッと辛いショウガの成分はジンゲロンといって、
殺菌力が非常に強いのです。抗菌作用ですね。
これが優秀な成分で、他にも食欲増進、新陳代謝の活発化、
発汗作用、コレステロール値の降下作用、血管の軟化作用、
などなど、さまざまな働きをもっています。

ショウガ独特の香り成分であるジンギロベールは、
胃液の分泌を促進して腸の働きを活発化し、
嘔吐を止める作用ももっています。

ショウガが体によいのは、あの辛味と芳香だったのですね。

他にも、血圧上昇や発汗解熱作用、心臓や呼吸中枢、
血管運動中枢の興奮作用も証明されています。
ですから、もともと血圧の高い方はお酒と一緒に摂るのは
やめたほうがいいようです。
皮膚病や痔のある方も控えめがよいそうですよ。

さあ、次は漢方的に見ていきましょう。
まずは性質ですが、微温。肺、脾、胃に入ります。
五味でいうと、辛味です。

微温性ということは、胃腸を温めるのですから、もともと胃腸の弱い方、
冷え症の方には最適です。いっぱい着込んでもお腹が冷える方、
いつも食欲がない方、積極的にショウガを食べましょう。
発散させる性質もありますので、気のめぐりが悪かったり、血行が悪い方にも
おすすめです。
ただ、発汗作用が強いので、”陰虚”体質の方は発汗によってさらに
症状が進んでしまいますから、気をつけましょう。
気が昇りやすい方も注意が必要ですね。

効能として「解表散寒(げひょうさんかん)」、つまり体に入った
冷え=寒気を追い払い、風邪を治します。
「温肺止咳」は肺の機能を高めて咳を止めます。
「温中止嘔」は胃腸を温め、冷えを伴う嘔吐を止めます。
といったところが風邪に効果が高いゆえんですね。

ご家庭では、ゾクゾクして風邪の予感がするときに、
お薬を飲む前にこれを試してみてください。
白ネギ、あればシソの葉、黒砂糖を番茶で煮出し、
おろしショウガを加えて飲んでみてください。
体が冷えて生理痛や腹痛がひどいときには、
番茶でコショウと黒砂糖を煮出しておろしショウガです。

ショウガはすりおろしたらすぐに食べましょう。
時間を置くとせっかくの成分が飛んでしまうのです。
そして、加熱しない。ここがポイントです。
ただし、加熱すると、胃腸を温める働きだけは残りますので、
冷え症の改善にはいいですね。

嘔吐を止める作用があるため、妊娠初期のつわりにも効果が期待できますね。
ムカムカして食べれないとき、ショウガを上手に取り入れてみてください。

魚料理など、生臭さを消すためにショウガはいい働きをしてくれますが、
これは殺菌効果によって食中毒の予防も兼ねているのです。
また、脂っこいものを食べ過ぎたときは、脂肪の消化を促進してくれるので
理にかなっています。

冷え症の方でよく「しょうが紅茶」を飲んでいらっしゃる方がありますが、
飲み過ぎには注意してくださいね。
体質によっては控えたほうがよい方もいらっしゃるので。

というわけで、身近な漢方生薬、ショウガのお話、いかがでしたか?

さて、次回はもう一度風邪に効く漢方生薬、葛(くず)のお話です。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!



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