【男性不妊】でよく使われる漢方薬ってどんな薬?8(総集編)

不妊鍼灸.net へようこそ

【男性不妊】でよく使われる漢方薬ってどんな薬?8(総集編)

2016-10-13

こんにちは!

馬場聖鍼堂 男性不妊担当の万木祥太郎です。

10月も半ばにさしかかり、世の中はハロウィンモードですね。
気候もだいぶ過ごしやすくなってきました。
秋の紅葉狩りももうすぐですね(^^)

さてそんな季節にお届けする今号は
過去7回にわたりお届けしてきた
『【男性不妊】でよく使われる漢方薬を鍼灸師目線で解説するシリーズ』の総集編です。

第1回は去年のクリスマスイブでしたので10ヶ月前です。

「もう忘れてしまった!」という方や
「過去のメルマガを読んだことない!」という方もいらっしゃると思います。

安心して下さい。このメルマガで全部復習できますよ!(古いですね)

1つ目にご紹介したのは
【補中益気湯】
という漢方薬でした。

【補中益気湯】はクリニックで処方される典型的な男性不妊の漢方薬です。

効能は、説明書きには「陰萎」とあり
いわゆる「勃起障害」や「勃起不全」のことです。

ただ、【補中益気湯】に含まれる生薬一つ一つの働きをみてみると
「勃起障害」や「勃起不全」に悩まれている方誰にでも効くのかというと、
必ずしもそうではありませんでした。

【補中益気湯】には、
消化器関係の臓腑にはたらくことで“気”の弱りを助ける
という生薬がたくさん入っているのです。

つまり、
男性不妊で悩まれている方の中でも
食が細かったり、胃腸が弱く、
そのためにあまり元気が出てこない
という体質の方に、より効果的ということです。

逆に胃腸が強く食欲旺盛で元気もある
けど、なぜか精子の状態はよくない・・・
こういう方にはあまり改善を期待できないかもしれない
というのが、【補中益気湯】でした。

2つ目にご紹介したのが
【八味地黄丸】
という漢方薬でした。

【八味地黄丸】も説明書にある効能は「陰萎」でした。

【八味地黄丸】の生薬をみてみると
腎臓の陰気を助けつつ
不要な水の処理や気血の充実を図り
腎臓の陽気(腎陽)をしっかり補う
というような組み合わせになっていました。

「陰萎」といえば、先ほどの【補中益気湯】と同じですが
【八味地黄丸】の場合は
東洋医学的に腎臓の陽気の弱りに起因する「陰萎」に効果的ということです。

腎臓は、東洋医学では生命力や生殖力を担当しているところで
勃起やその継続には腎臓の陽気が
とても重要な要素のひとつです。

そのため、八味地黄丸で腎陽が補われることで
陰萎という症状に効果があるということです。

また、
その他にも腎陽の弱りからくる症状としては
精子無力症などもあります。

精液に含まれている精子の運動率がとても低いという症状ですが
東洋医学では、動く力には陽気が欠かせません。

ですので、精液検査をしてもいつも運動率が低い
という方にも八味地黄丸はオススメできる漢方薬といえると思います。

そして、3つ目にご紹介したのが
【柴胡加竜骨牡蛎湯】
という漢方薬でした。

こちらも説明書の効能には「陰萎」とあり
先の【補中益気湯】や【八味地黄丸】と同じです。

が、
【柴胡加竜骨牡蛎湯】に含まれる生薬の一つ一つのはたらきを考えてみると
気のめぐりを良くすることでストレスをケアしつつ
腎陰を補うことで生殖力のアップをはかり
脾胃や肺、身体を温め元気を回復する
というのが、【柴胡加竜骨牡蛎湯】のはたらきであるということが分かりました。

つまり
いわゆるストレスが原因で勃起障害や勃起不全という陰萎の症状が出ている場合に
【柴胡加竜骨牡蛎湯】が効果的だということですね。

慢性的なストレスは腎臓の元気(腎精)を消耗し生殖能力を弱めてしまいますし
ストレスや心配事などから心臓に弱りがでてしまうと
心血の不足などに陥り、陰萎につながることがあるのです。
(ここでいう腎臓や心臓は東洋医学的な考え方です)

ですので
慢性的にストレスを感じることが多かったり
みぞおちのあたりにいつも違和感があったり
という方には、適している漢方薬かもしれませんね。

そして、4つ目にご紹介したのが
【牛車腎気丸】
という漢方薬でした。

こちらは、【八味地黄丸】に<牛膝>と<車前子>という生薬が追加されたもので
【八味地黄丸】の効能に利水・利尿&活血作用が加わり
【八味地黄丸】で腎臓の陽気は補われたけど
血行が悪く、まだまだ身体が冷えやすかったり、
尿の出が悪い、むくみがきつい
という方に適応となる漢方薬ということでした。

男性不妊に用いられる漢方薬は他にも
【六味丸】や【杞菊地黄丸】、【参馬補腎丸】などなど
補腎薬を中心にたくさんありますが
男性不妊でクリニックで処方されることが多い漢方薬は
最初にご紹介した
【補中益気湯】【八味地黄丸】【柴胡加竜骨牡蛎湯】の3種類のどれか
ということがほとんどです。

どの漢方薬も効能は「陰萎」、つまり「勃起障害」や「勃起不全」となっていましたが
そうなる原因によって適切な漢方薬が変わるということですね。

また、漢方薬に含まれる生薬ひとつひとつのはたらきをみると
「陰萎」だけではなく、精子無力症や乏精子症といった
精液検査でみつかる問題に対しても効果を期待できることが
分かるかと思います。

今回ご紹介した漢方薬は
オーソドックスなものですし
クリニックや漢方薬局で処方されずとも
ドラッグストアでも購入できるものです。

また、インターネット上などには
色々な方の体験談や意見などがあり
手軽に服用することもできるのですが
今回の総集編で
同じ男性不妊でも原因によって適切な漢方薬が違う
ということを分かって頂けたかと思います。

大事なのは、原因がどこにあるのか?です。

そして、その原因と、体質に合った漢方薬を服用することです。

これは、不妊の鍼灸治療でも同じです。

不妊治療だからといって、決まった治療法はありません。

人によって体質が違いますので、人によって治療法も違うのです。

このメルマガは
あなた自身の判断で漢方薬を服用されることを
オススメするものではありません。

もしあなたが不妊で悩まれていて
漢方薬や鍼灸での治療を考えられておられるのでしたら
しっかりあなたのことをカウンセリングしてもらえたり、体質を診てもらえ
あなたに合ったアプローチをしてもらえるような
鍼灸院や漢方薬局を選ばれることを強くオススメします。

なお、当院では提携している漢方薬局と連携して
ご希望の方には、鍼灸+漢方薬という不妊治療を実現しています。

お気軽にご相談頂ければと思います。

まずは無料の不妊カウンセリングか説明会+体験治療から
お越し下さい。

詳細はこちらです。
http://www.e-harikyuu.com/briefing.php

あなたの妊活を応援しています!

では、今回はこのへんで。

次回は岡井先生が担当です。
どうぞお楽しみに!



コメントを残す

*

PAGE TOP




MENU

CONTACT
HOME