不妊とストレス

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不妊とストレス

2010-10-23

こんにちは! はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
キンモクセイもそろそろ終わりでしょうか。これからはだんだんと寒くなりますね。

今月から、石原先生の次に再び近藤がお届けすることになりました。
食養生とは別に、でも同じく養生という視点から、未妊治療にとって妨げとなる
可能性のあるテーマを取り上げ、みなさんの妊娠力アップにつなげていただければと
思います。

今日はまず、”ストレス”からいきたいと思います。

「ストレスがよくないよ」というのはよく言われることですし、誰もが頭では理解
しているかと思います。
でも、どうしていけないのか、そして、どうしたらストレスから解放されるのか、
ということについては、実際のところ、よくわからないのではないでしょうか。

そもそも、ストレスというのは、何かその要因となる”ストレッサー”というものを
受けて、心身に負荷がかかった状態のことをいいます。

ありがちなのが仕事の忙しさや人間関係の悩みですね。
でもイヤなことばかりがストレスということではありません。
小躍りするような嬉しいことだってストレスなんですよ。
良いストレスもあるということですね。
宝くじに当って失神してしまうようなことだってありますが(^_^;)

心理面ばかりではなく、例えば夜寝てるあいだに誰でも寝返りをしますが、
あれだって、同じ姿勢で身体のどこかにストレスがかかっているので、
それを分散させるために自然に寝返りをうつのです。

活動中も睡眠中もストレスを受け続けながら、それでも人間は環境に適応して、
さまざまに変化しながら生きているわけです。
つまり、ストレスは生きていくうえで「あって当然」な存在なのです。
ストレス=刺激、と考えてもいいかもしれません。
刺激のない人生なんて、逆につまらないですよね?

ですので、ストレスをゼロにすることは考えず、どううまくつきあっていくかを
学ぶほうが現実的ですし、心身の健康に役立つのですね。

人間の身体にはいろいろなストレスに対応できる高度なシステムがあります。

ただ、ストレッサーが余りに大きすぎたり、長期に渡って受け続けた場合、
普段ストレスに対応してうまく調節してくれている自律神経のバランスが崩れて
しまいます。
交感神経が優位になってしまうのです。

そうすると血液の流れが悪くなり、白血球の一部が異常に増えてしまいます。
そのせいで肌荒れが起こるとも考えられています。
寝不足だとお肌の調子が悪くなりますが、起きている間は交感神経が優位ですので、
その時間が長くなればなるほど交感神経がたかぶり、ストレス下にさらされているのと
同じ状態になるのですね。

また、交感神経と副交感神経は拮抗しているので、いっぽうがたかぶると、
もう片方は働きが落ちてしまいます。
つまり副交感神経が支配する消化器の働きが低下して、消化液が分泌されなくなったり
蠕動運動がなくなったり、ひいては便秘となったり、逆に下痢になったりするのです。

次にストレスがホルモン分泌に与える影響についても見てみましょう。

ストレスがかかると、副腎からストレスホルモンが大量に分泌されます。
ステロイド・ホルモンですね。
もともとこれらはストレスから身体を守る働きをしているのですが、
長期に、大量に分泌されることによって身体に悪影響を与えることがわかっています。

免疫力の低下や慢性疲労、アトピーなどの症状、生理痛、肥満や糖尿病、物忘れなど
健康に対するさまざまな影響があります。

そして、ストレスを感じるのは脳ですね。
ストレスを察知した脳は副腎に対してストレスホルモンを分泌せよ! という指令が
出るわけですが、このときに一緒に性ホルモンも急上昇してしまい、
FSHやLHが高くなってしまうということもあります。
ホルモンのアンバランスが生じるのですね。

強いストレスがかかると、生殖機能を犠牲にしてでも命や身体を守る方向にシフト
します。
生命体にとっては一大事なのですから、次世代のことよりもまず自分の命ですよね。
ですから、性ホルモンの分泌は乱れ、卵も育たず、排卵もされない状態となります。

たかがストレスですが、妊活中のみなさんにとってはダメージが大き過ぎますよね。

いかがでしょう。

ストレスが身体に与える影響について、西洋医学的な視点から見てきました。
今度は東洋医学的に見てみましょう。

もともと東洋医学では”心身一如”という考え方があり、ココロとカラダは密接な
関係があるという認識です。

さまざまな感情をもっている人間ですが、過度の感情は病の原因となるとしています。

とくに、いわゆるストレスによって肝臓の機能が失調してしまうのですが、
気のめぐりが滞り、血を消耗し、生殖能力にダメージを与えてしまうと考えます。
イライラ、怒りっぽい、PMS、不眠、生理周期の乱れや生理痛などといった症状が
表れます。
脾臓との関係で消化器の症状として表れる方も多いです。
こういった状況では、なかなか妊娠することは難しいと判断され、治療の対象と
なります。
ですので、上記のような症状がある方は、肝臓にアプローチして気血のめぐりを
よくしていくことによって、さまざまな症状が改善され、表情さえ変わっていくのです。

みなさんはもう「たかがストレス」と考えず、過度の、或いは長期のストレスを
受けていないかちょっとご自身を振り返ってみてくださいね。
ストレスが原因で授かりにくい身体になっているかもしれません。
ぜひ一度、東洋医学的な診断を受けてみてください。
そして、的確なアドバイスをもらってくださいね!
当院でも、お一人お一人に合ったストレスの発散法や気のめぐりをよくする治療、
ストレスとうまくつきあう方法をアドバイスさせていただいていますので、
お気軽にご相談ください。

それでは、次回は食養生のお話です。
冬が近くなると食べたくなる里芋を取り上げますよ!
どうぞお楽しみに♪



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