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夏の味覚-マンゴー(20090730)

2009-07-31 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
梅雨が長引いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

今日取り上げるのは、以前は高級なイメージだったのですが、
最近は国内産もメジャーになり、かなり身近な存在になったマンゴーです。
世界三大美果の一つですね。
スイーツの世界でも人気の高いフルーツです。

原産地はインドからインドシナ半島あたりです。
インド、タイ、フィリピン、台湾、メキシコなどが主な生産国です。
日本でも、沖縄をはじめ、宮崎や鹿児島で栽培されています。
やっぱり南国のフルーツなんですね。

インドではスパイスをかけて生で食べるほか、
ジュースやラッシー(ヨーグルト・ドリンク)、アイスクリームに入れるほか、
チャツネやしょっぱい漬物にだってなってしまいます。
この漬物、最初はギョッとしますが、カレー味で疲れた胃にやさしく、
白いごはんにヨーグルトと一緒に混ぜて食べるとめちゃくちゃ美味しい!
インドではおかゆに梅干的な位置づけでしょうか。
レストランにはない味です。

さて、マンゴーの栄養価です。
ベータ・カロチン、ビタミンC、E、葉酸、カリウム、食物繊維などです。

ベータ・カロチンは体内でビタミンAに変わります。
抗酸化作用や抗ガン作用があります。
とくに肺癌の抑制に効果があるそうですよ。少しずつ摂取するのがよいそうです。
美肌効果も期待できますし、目にもいいでしょう。

そして造血ビタミンの葉酸も多く含まれ、貧血予防によいでしょう。

では漢方的に見ていきましょうか。
性質は涼性、潤、降の働きがあります。
臓腑では肺、胃、腎に入ります。
形からして、腎によさそうな感じがしますね。
五味は甘、酸です。

東洋医学的な効能は、
益胃止嘔、胃の機能を回復し、嘔吐を止めます。
清暑止渇、暑さをさまし、のどの渇きを止めます。
あとは利尿作用です。

体質的に向いているのは熱っぽく、高血圧の方。
身体を冷やすので冷え症の方には向きません。
腎に好いとはいえ、食べすぎはよくありません。
濃厚な味ですから、少量を楽しむのがいいでしょう。
咳や痰が多い方、嘔吐、歯茎の出血のある方にも向いています。

生のトロピカル・フルーツはぜひ夏の季節に食べたいもの。
さまざまなスイーツも楽しみたいですが、
甘いものの食べすぎはよくないですね。
やっぱりマンゴー・プリンやケーキはたまのご馳走にしておきましょう。

マンゴーはウルシ科の植物ですので、かぶれることがあります。
たくさん食べると口のまわりが腫れてきたりしますので、
食べすぎには注意しましょうね。
と言いつつ、私は南国へ行くと市場で山のように買ってきて、
部屋で顔も腕も汁だらけになって貪り食うのが楽しみなんです。
最高にウマイです!!

さて次回は夏の味覚の続きとして、アワビを取り上げてみましょう。
腎にいいんですよ~(^^)
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-とまと(20090723)

2009-07-25 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
学校も夏休みに入り、通勤電車もすいてきました。
いよいよ本格的な夏ですね。

今日は、夏が旬のナス科の野菜、トマトを取り上げます。
真っ赤に熟れた採れたてのトマト、夢中でかぶりついた子どもの頃を思い出します。

今では世界中で食べられているトマトですが、原産地は南米ペルーあたりの
高原地帯です。
16世紀にメキシコ経由でヨーロッパに伝わりました。
最初は毒があると考えられていたんですよ。
日本での歴史もまだ余り長くはありません。
江戸時代に伝わってきたのですが、最初は観賞用でした。
食用になるのは明治以降、ポピュラーになったのは昭和に入ってからです。

トマトの赤い色はリコピンという色素です。
少し前に取り上げたスイカにも含まれていましたね。
とても強い抗酸化作用、抗ガン作用があるそうです。
胃癌の原因となるピロリ菌の増殖を抑制するので、胃癌の予防となります。
生より煮たり炒めたほうが吸収しやすいようです。
老化を防ぎ、お肌や皮膚を若々しく保つ美容効果も期待できますよ!
完熟するほど多くなりますから、できるだけ真っ赤に熟れたものを選びましょう。

ビタミンC、B1、B2、B6、P、カリウム、鉄分、リン、カルシウム
なども豊富です。
ビタミンCを摂るときは食べ合わせが大事なんですよ。
きゅうりや生の人参にはビタミンCを分解する酵素が含まれているので、
一緒に食べないほうがいいですね。

ビタミンB6は脂肪の代謝をよくしてくれます。

ビタミンPというのは余り聞かないかもしれません。
これはビタミンCを助け、コラーゲンの合成や毛細血管を丈夫にする、
などの働きがあります。血のめぐりが悪い方におすすめですね。
止血作用もありまして、このビタミンPは野菜の中ではトマトが一番多いんです。

カリウムは血液中の塩分を排出して高血圧を予防してくれます。
利尿作用がありますね。

他にも水溶性食物繊維のペクチンが含まれていますので、便秘の改善や
生活習慣病の予防に効果的です。

うまみ成分のグルタミン酸も多く、お料理の味をよくしてくれるだけでなく、
大脳の働きを活発にしてくれるんだそうですよ。

それでは東洋医学的に見ていきましょう。
性質は、微寒性、潤、降作用があります。
臓腑では胃に入り、五味は甘、酸、です。
効能は、生津止渇、水分を補給し、渇きを止めます。
健胃消食、食欲を高め、消化を促進します。
解暑清熱、身体にこもった余分な熱をさましてくれます。

体質的には、”陰虚”体質の方が一番ベストです。
そして、高血圧の方や、夏バテぎみの方。
逆に、胃腸が弱い方や冷え症の方は控えめにしましょう。
暑さにやられて食欲がない、という方は、
トマトジュースやスイカがいいですね。
歯茎から血が出る方や口内炎には生のトマトがいいですよ。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがヨーロッパには
あるそうです。
栄養満点な緑黄色野菜、旬で一番栄養素が充実している時期に
しっかり食べたいですね。

品種改良がすすみ、いろんな大きさや色のトマトが出回っています。
果物のように甘いものも増えました。
私は幼い頃に田舎で食べた、畑で採れたばかりのトマトの酸っぱさ、
青臭さが忘れられません。
ごつごつと巨大に成長し、中にははじけたものもあるトマトでしたが、
いくらでも食べれました(^^)

さて次回は、トロピカル・フルーツ。
マンゴーを取り上げてみましょう。
私の大好物、なんですねぇ。

どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-すいか(20090709)

2009-07-10 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は、夏といえばスイカ! という公式通りに、旬の西瓜を取り上げます。
私自身、母の実家が西瓜の名産地ですので、幼い頃から西瓜は夏の定番おやつでした。
それこそ、一日中食べていました(^_^;)
今でも、親戚からドーンと特大サイズのが送られてきて、冷蔵庫を占拠します。

スイカは西瓜、文字通りウリ科の植物で、もともとはアフリカの砂漠地帯出身です。
砂漠なのに、あんなに水分たっぷりなのは不思議ですよね。
サボテンもそうですが、砂漠だからこそ、水分を中に蓄えるのですね。

日本には14世紀頃に中国から伝わってきたそうです。
球形で果肉が赤い大玉の品種が一番多いですが、
中には小玉や長形の品種や、果肉が黄色いものもありますね。
産地は熊本、鳥取、石川、と季節の移ろいによって北上していきます。

西瓜の栄養ですが、なんと90%が水分なんです。
ですが、残り10%にカリウム、シトルリン、リコピン、アルギニン、
といった成分があり、夏の自然の恵みです。
カリウムは利尿作用があり、余分な塩分を排出する働きがありますから、
血圧の高い方に有効です。
シトルリンというのはウリ科全般に含まれているアミノ酸なんですが、
利尿作用が強いのです。
ですので、むくみや膀胱炎、高血圧、動脈硬化に効果があります。
二日酔いにもいいですよ!
そして、赤い色のもととなるリコピンはカロチノイド系の色素ですが、
強い抗酸化作用があり、ガンの予防や老化防止に効果があります。
トマトにも含まれていますね。
よく熟したほうが含有量が増えますよ。

さて、東洋医学的に見ていきましょう。
性質は、寒性、潤、降作用があります。
臓腑では、心、胃、膀胱、腎に入ります。
効能では、清熱解暑、つまり熱をさまし、暑さを取り除いてくれます。
除煩止渇、つまりイライラした気分をおさめ、のどの渇きもいやしてくれます。
そして、利尿です。

寒性ということは、身体を冷やす性質があるということです。
ですから夏の暑いさなかに食べるとよいのです。
決してクーラーのかかった涼しい部屋にこもって食べないでください。
冷蔵庫での冷やしすぎにも注意が必要ですよ。
ひどい冷え症の方はよっぽど暑いとき以外は控えたほうがいいですね。
気を降ろしてくれますので、気が上がって顔が真っ赤になりやすい方にはピッタリ。
高血圧の方にもいいですね。
ただ、胃を冷やしやすいので、もともと胃腸の弱いタイプは控えめに、
冷やしすぎに注意して食べましょう。

西瓜は捨てるところがないと言われます。
皮の漬物は食べたことがある方も多いと思います。
硬い外皮はとりのぞき、炒め物にすることだってできます。
もちろん、煎じて漢方薬にもなります。
種も強壮作用があり、中国ではよく食されていますよ。

おいしく食べるにはコツがあります。
スイカの甘味の果糖は15℃くらいで一番甘味が強くなります。
ですから、冷蔵庫から出して、しばらく室温においてから食べると
よい甘くて美味しいのです!
冷やし過ぎはかえって美味しさが減ってしまいますよ。
そして、冷えが気になる方は、塩をふって食べましょう。
冷えがちょっとマシですよ。
そして甘味も増しますので、一石二鳥ですね!

スイカは昔から子どもの夏休みと切っても切れない関係です。
3時のおやつに冷たいスイカ、スイカ割り、種とばし、と
どれをとっても夏休みの宿題、絵日記のトピックにもってこい、です(^^)
アイスクリームよりずっと身体にはいいですから、
子どもに限らず、おとなの方もこの時期はたっぷりスイカを食べましょう。

さて次回は、これまた夏の風物詩、鱧です。
漢字、難しいですね。魚へんに豊と書いて・・・。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-しそ(20090630)

2009-07-05 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
梅雨本番がやってきました。
憂鬱な気分で過ごしておられませんか?
気分爽快になる工夫、していきたいですね!

今日は私も大好きな薬味、大葉です。青シソの葉ですね。
そうめんならネギがなくてもこれがないと! というほどお気に入りです。
香りがいい野菜で、和風ハーブと言ってもいいかもしれません。

漢字で「紫蘇」、と書きますが、このネーミングにはストーリーがあります。
大昔の中国で超有名なお医者さんがいたんですが、
あるとき食中毒で死に掛けていた病人にある薬草を煎じて飲ませ、
たちまち治してしまった、というのです。
それが、「紫」色の「蘇る」薬だったので、その薬草を「紫蘇」というようになったそうです。

シソには青シソと赤シソがあります。
他にも種類はあるんですが、食用はその2つになります。
原産は中国、あるいはヒマラヤあたりと言われていまして、
日本には10世紀頃に中国から入ってきています。
葉だけでなく実も食べることができます。
プチブチして、噛むと独特の爽やかな風味があって美味しいですよね。

青シソの旬は初夏から盛夏、赤シソは6?7月です。
青シソは年中スーパーで売っていますけれども。

酒飲みの方には紫蘇の焼酎があるのをご存知だったりするかもしれませんね。

赤シソの葉は漢方薬の生薬にもなります。
紫蘇葉(しそよう)といって、気の滞りを改善したり、精神安定にいいのです。
実は蘇子(そし)といって、咳や喘息に効果がありますよ。

栄養成分ですが、これも赤か青かでだいぶ違います。
青シソはベータカロチンが多く、含量としては野菜の中でもトップクラスです。
ベータカロチンは、以前にも説明しましたが、体内でビタミんAに変わり、
視覚や聴覚、粘膜、皮膚を保護し、抵抗力を強化します。
また、抗酸化作用があり、癌予防や老化防止に効果があります。
鉄分も多いですから、貧血予防にいいですね。
シソ独特の香りのモトになtるのがペリルアルデヒドという成分ですが、
これは強い抗菌作用や防腐効果があり、食中毒を予防します。
刺身のツマになっているのも意味があるんですね。
とっても栄養価が高い野菜なので、残さずいただきましょう。
あと、アルファリノレン酸という成分は体内でEPAに変わり、免疫系統に働きます。
アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギーに効果が期待できます。
ただし、摂り過ぎはだめですよ!

赤シソの色のモトはアントシアニン系の色素です。
こちらは栄養というより薬効があります。
たくさん食べることはできませんので、シソ・ジュースにしたり、
リキュールに漬けてシソ酒にするといいですね。
梅干の赤みも、赤シソの色です。
その塩漬けの葉を乾燥して粉末にしたのが「ゆかり」ですが、
これはふりかけやおにぎりに混ぜるととっても美味しいですし、食欲がわきますね。

それでは東洋医学的に見ていきましょう。
性質は温性、昇、散性があります。
臓腑では肺と脾に入ります。
五味でいうと辛味になります。

効能は、発表散寒、つまり発汗作用があり、寒(ひ)えから来る風邪に効果があります。
行気和胃、気のめぐりをよくし、胃の働きを改善します。
そして、カニや魚の毒素を解毒します。

では、体質的にはどうでしょうか。
一番向いているのは冷え症の方!!
これはいいですねぇ。
夏でもクーラーで身体を冷やしてしまうことがよくあります。
ぜひ、シソを上手に取り入れてくださいね。
他はわりとどんな方でも安心して摂っていただいていいのですが、
若干控えたほうがいいというのは、身体に熱がこもっていて、
高血圧だったり、”陰虚”体質の方ですね。
身体を温める性質ですし、発汗作用があるので、
より病症が強く出てしまいますから注意が必要です。

さて、旬の赤シソを使っておいしいシソジュースをつくりませんか。
材料は赤シソの葉200グラムに対して、黒糖やハチミツなどお好みで、
クエン酸小さじ2?3、ない方は酢1?2カップ、以上です。
あ、水も1リットルくらいでしょうか。

水から火にかけ、沸騰したらしばらく弱火で煮ていくと真っ黒な煮汁が出ます。
葉っぱを濾して、煮汁をまた火にかけ、アクを採ります。
出なくなったら砂糖や酢を入れて終わりです。
味を見て甘味や酸味を足してみてくださいね。
キレイな赤紫色になりましたか?
保存は清潔なビンで。
飲むときは水などで薄めて飲んでくださいね。

さて次回は、夏といえばスイカ!
夏こそスイカ、です。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


湿気対策(20090625)

2009-06-26 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
梅雨空が続くようになりました。
湿気対策、していらっしゃいますか?

ジメジメして髪の毛は爆発するし、身体も重いし、頭痛もするし!
とストレスがたまっている方もいらっしゃるかもしれませんね。

日本には昔から梅雨という季節がありますが、最近はどうも「雨期」と呼んでも
おかしくないような季節になってきていませんか。

期間も長くなっている気がするし、ゲリラ豪雨とか、災害をもたらすような雨に
なったり、反対に全然降らなかったり、なんだかおかしいですよね。
地球温暖化のせいで、日本も温帯から亜熱帯気候へと移行してるような実感です。

この時期には古来”湿邪”というやっかいな邪気が多く、
体質的にもともと”湿”を溜め込みやすい方は、もろにその影響を受けてしまいます。
“湿邪”は、頭痛や関節の痛み、身体の重さやだるさとなって人を苦しませます。

人間も自然の一部ですから、お天気の影響を受けるのは当たり前のことなんです。
爽やかな五月晴れだと気分も晴れ晴れとしますしね(^^)

ですから、湿気が多いこの時期は、それに見合った生活を心がけなければ。
外側からは、もし雨に濡れたり、汗をかいたりしたらすぐ乾いた衣服に着替えるのが
一番です。
とくに濡れた靴をずっと履いているのはよくありませんね。
内側からは、できるだけ”湿”をためない食生活をすることです。
簡単にいうと、消化によいものを食べましょう、ということですね。
油脂や甘すぎるものはできるだけ避け、もちろん量的にも食べすぎはだめです!
この時期冷たいものを飲食することも多くなりますから、生姜がいいですね。
あとは、しっかりおしっこを出して、便通もよくすることです。
お茶ではハトムギ茶がいいですよ!

さて、前置きが長くなりましたが、今日は大事なお話です。
食事の大切さはずっと力説してきたとおりなんですが、
何を食べるかということと同じように、どう食べるか、も重要です。
今日は調理の仕方のお話ではありませんよ。

現代の生活では、どうしても時間に追われることが多いです。
大量の情報が乱れ、スピードと効率が最重視される社会ですから、
それについていこうとすると、ゆっくり食事をしてる暇なんてなくなります。
つくる時間がないけど、便利なコンビニやお弁当屋さんがあるし、
食べながら新聞を読んだりテレビのニュースも見ないと!

では、もっと昔の生活を想像してみてください。
実は食べることにものすごく時間がかかっていたんですね。
調理は火をおこすことから始まりますし、その前に畑で収穫をしないといけなかったり、
食材になる前の下ごしらえがすごくたいへん。
きっとお腹がすいてから始めてたら間に合わないですよ。
それだけ食べることに時間も労力もかけていました。
そして、できあがった食事を大切にいただいていたのだと思います。

日本の長寿社会をつくってきた高齢の方々は、若いときはそうやって来られたんですよね。

今はごはんだって炊飯器がありますし、無洗米まであります!
それも無理なときはコンビニおにぎりがあります。
とりあえずの空腹をおさめることはできます。
たくさん買いすぎたら食べ残して捨ててしまうことだってあるでしょう。

昔の人も今の人も、やっぱり何かを食べないと生きていけません。
私たちの体のバランスが崩れてしまうのは、食生活だけの問題ではありませんが、
“医食同源”と捉えることによって、乱れがちな体調を調えていくことができるなら、
不調の原因のひとつから、”癒し”に転換できるんです。

かといって、昔の生活に戻ることなんて、最早できませんね。
そこで、誰にでも簡単に、お金もかけずにできることを提唱します。
というと大げさですが、実際に自分でも心がけるようになって、
効果があるなあって実感していますので、おすすめします。

それは、感謝していただく、ということです!

なぁ~んだ、でしょ?

具体的にいいますと、これから食べるというときに、お米や味噌汁の味噌や具、
おかずに入ってる食材のすべて、お皿やお箸、一つひとつ眺めて、
これを私のために作ってくれた農家の人や漁師さんや、調理してくれた人や、
職人さんや、育んでくれた大地や太陽、いろんなことを想像して、
「ありがとう!」って感謝して食べるんです。
数えていくとかなり多くの手を介してここまで届いてますから、
けっこう感謝するのも忙しいですよ(笑)

だから、テレビ見ながらは無理ですね。

たとえコンビニおにぎりだったとしても、想像力をたくましくして「ありがとう!」っていいます。
その1個のおにぎりで、私は生かされているのですから。

どうでしょう。
まさかとお思いでしょうが、一度やってみてください。
あなたの細胞の一つひとつが喜びますよ。
食べたものの栄養が行き渡ります。
私たちが必要としているのは”エサ”ではなく、ヒーリング・フードです。

食生活の見直しはこんなところからいかがですか?

さて次回は、夏に欠かせない薬味、大葉、つまり紫蘇をとりあげます。
爽やかですよね。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


ばなな(20090618)

2009-06-19 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
梅雨とは思えない気持ちのよい一週間でしたね。

さて、今日は庶民の味方の南国フルーツ、バナナです。
今ではブームが去りましたが、一時スーパーの売り場から姿を消しましたね。
ダイエットで大流行でした。効果のほどは・・・?!

残念ながら、何か一つのものだけを食べるダイエットはおすすめできません。
まんべんなく、バランスよく食べるのが正しい食養生です。
ブームには踊らされないようにしてくださいね(^^)

バナナはバショウ科の植物の果実です。(亜)熱帯地方で栽培されています。
日本ではそれほど多くの種類が出回っているわけではありませんが、
本来はいろんな品種があります。
以前インドでバナナを買って食べていたところ、道行く人に
「それはバナナじゃないから食べちゃだめだ。お腹をこわすよ」って注意されました。
私がバナナと思って買い求めたのはプランテーンという種類で、
加熱して食べるものだったんです。
確かに、果物の屋台にはさまざまな大きさや太さのバナナが並んでいます。
それぞれ味も値段も違うだけでなく、生食用、加熱用と用途も違うんですね。
フィリピンの揚げバナナ、美味しいです♪

バナナは熱帯地方では利用価値の高い植物です。
実は食用になりますし、花も食べれます。ビールだってできちゃいます。
葉は食器や屋根になりますしね。
熱帯では一年中実っていますので、旬はありません。

日本ではほとんどがキャベンディッシュという品種です。
皮が厚くて保存がしやすく、輸出入向きなんですね!
フィリピンや台湾産、エクアドル産が多いでしょうか。
あ、国内でも沖縄ではシマバナナが栽培されていますよ。

栄養面からいいますと、成分の多くは糖質。ブドウ糖や果糖、ショ糖などです。
食べてすぐにエネルギーに変わるので、スポーツの前などにいいですね。
他の炭水化物、例えばご飯やパンに比べるとぐっと低カロリーです。
このへんがダイエット向き、ということになった理由かもしれません。
でも、主食の代わりには無理があります。おやつですね。

他の成分では、カリウム、マグネシウム、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、
食物繊維なども多く含まれています。
便秘がちの方はバナナの整腸作用に期待しましょう。
果物には珍しくセロトニンが含まれ、これは神経を落ち着かせる働きがあり、
睡眠促進や側頭痛の予防にも役立ちます。
また、胃酸を抑制する効能もあるんですよ。

最近ではバナナには抗菌作用や免疫力を高める作用があることが確認されています。
なかなか優秀な果物なんですね(^^)

ではバナナ、芭蕉味を漢方的に見ていきましょう。
性質は寒性、潤、降作用があります。
臓腑では肺と脾に入ります。
東洋医学的な効能としては、
清熱潤肺、つまり体内にこもった余分な熱をさまし、肺を潤してくれます。
潤腸通便、つまり、腸を潤し、便通をよくしてくれます。
というわけで、体質としては、”陰虚”体質の方もいいですし、
高血圧や便秘に悩まされている方、血行が悪い方にもいいです。
便が硬い人向きです。
ただし、南方で取れるので身体を冷やしますから、冷え症の方には不向きです。
普段から食べすぎで消化不良をおこしている方は控えめに。
そういう方が朝バナナダイエットをすると体調が悪くなりますよ。

保存方法ですが、冷蔵庫に入れるとすぐに皮が真っ黒になってしまいます。
風通しのよい室温で、バナナハンガーにかけておくのがいいようです。
黒いポツポツができてきた頃が食べごろです。

バナナといえば黄色い果物のイメージですが、南国では花も食べるんです。
びっくりでしょう?
けっこうおいしいんですよ~♪
日本では味わえないかもしれませんが・・・。

ありふれた果物ですが、冷え症の方はやめておいたほうがいいということ、
しっかり覚えておいてくださいね。
誰でも彼でもバナナ、ではないんですね~。

さて次回は、特定の食材から離れて、食べることでカラダを癒すことについて、
ちょっと考えてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-いか(20090611)

2009-06-12 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
早くも入梅しましたね。紫陽花の季節です。

さて、今日はお刺身や煮つけの定番、イカのお話です。
日本の食卓でおなじみのスルメイカ、アオリイカは春から夏が旬です。
イカは軟体動物で、10本の足(手?!)があります。
実際は8本の「腕」と2本の「触腕(吸盤がたくさんついてるもの)」だそうです。
イカの血には銅たんぱく質のヘモシアニンが含まれているので青いんです。
我々脊椎動物の血は鉄たんぱく質のヘモグロビン入りなので赤いです。
血は赤いばかりじゃないんですね。

イカといえばコレステロール、というくらい有名ですが、
コレステロールが気になるからといって、イカを食べないのは間違っています。
コレステロールには種類があり、LDLといわれる悪玉コレステロールの
比率が高くなると動脈硬化などになりやすいためによくありません。
ですが、HDLという善玉コレステロールは、体内の余ったコレステロールを
回収してくれる働きがあるので、こっちが多いのは良いのです。

そもそもコレステロールは悪者扱いされることが多いのですが、
人間の身体にとっては必要な成分なんです。
成人で1日に必要なコレステロールは1~1.5グラム程度。
食品からも摂取しますが、その多くは体内で合成されるんです。
そして、「胆汁酸」になって食べたものの消化という大事な仕事をしています。
その他には、血液に溶けて身体中に運ばれ、細胞の壁になったり、
ホルモンの原料になったりします。

ですので、コレステロールが極端に少なくなってしまうと、
身体に悪影響を及ぼします。
コレステロールは身体中にある60兆もの細胞の膜の材料ですし、
女性ホルモンの材料でもありますし、
脂肪やたんぱく質の消化吸収を担う胆汁酸の材料です。

というわけで、コレステロールが恐いからといって、極端に避けないでくださいね。
ただし、多くなりすぎると、胆石になったりということもありますよ。
そして、コレステロールが多く含まれる食品を避けたとしても、
砂糖や脂肪から肝臓がコレステロールを合成します。

イカには他にもタウリンという成分が豊富ですが、これはコレステロール値を
下げるという働きがあります。
ですので、血中コレステロール値が高い方はかえってイカを食べるといいのです。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
性質は平性、潤作用があります。
臓腑では脾、肝、腎に入ります。
五味ではカン味(塩味)、甘味。
効能は、養血滋陰、血を補い、身体を潤します。
補肝腎、つまり肝と腎を補ってくれます。

ということで、”陰虚”体質の方にはピッタリの食材です。
ただし、生や加熱しすぎると消化が悪いので、食べすぎないでください。
もちろん、胃腸の弱い方や消化不良のある方、冷え症の方もそうですね。
軽く煮るのが一番です。
タウリンの分解も抑えられるので、火を通しすぎないで調理するのがポイントです。

イカは加熱するとすぐ堅くなってしまうのですが、
大根と一緒に煮ると、軟らかくてとってもおいしいんですよ!
お試しください。

一時イカスミが流行りましたが、墨は血行をよくする働きがあり、
ホルモンの材料にもなりますので、これもまたいいですね。
最近すたれてきてしまったのか、余り見かけることがなくなりました。
ぜひご自宅で復活させてくださいね。

“陰虚”体質の方、血行が悪い方、
安くておいしいイカをぜひ食べてください。潤いますよ!

さて次回は、少し前にダイエットでスーパーの棚から姿を消した
バナナを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


ハーブ-はっか(20090604)

2009-06-04 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
6月に入りました。
衣替えもあり、街が明るくなりましたね。

さて、夏になると清涼感のある飲み物や食べ物が欲しくなります。
これまでお伝えしてきました通り、夏とはいえ、冷え症を自覚されている方は
氷や身体を冷やす働きの強い食品をたくさん取るのはよくありません。
少量のハーブを使って上手に清涼感を味わう食卓にしてみてはいかがでしょう。

今日はハーブのなかでも最もポピュラーなペパーミント(薄荷)を取り上げてみましょう。
ガムやキャンディでおなじみの、スーッとするフレーバーですね。
メントールという精油がその香りのもとですが、強い抗菌・抗ウイルス作用を持ちます。
花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方は、ミント入りののど飴で鼻がスーッと
通る感覚を持たれたことがあると思います。

気分爽快になるこのミント、実は妊婦さんには要注意なんです。
流産を誘発する作用があるのです。
とくに妊娠初期の方、或いはひょっとしたら? という時期の方は避けたほうがいいです。
意外と知られてないですよね。
アロマを楽しまれている方も、ペパーミントはやめておきましょう。
余談ですが、もう一つ人気のハーブにシナモンがありますが、これも妊婦さんには不向きです。
もちろん、アップルパイに入ってるほどの微量でしたら心配いりませんが、
エッセンシャル・オイルを使われる方は避けてくださいね。
ハーブは上手に使ってこそ効果が高いものです。

というわけで、一般の不妊治療をされている方々を対象に、ちょっとした知識と
上手な使い方をお伝えしていきましょう。

さて、薄荷(ハッカ)、ペパーミントはヨーロッパでも古くから薬草として利用されてきました。
シソ科の植物で、紫色のきれいな花が咲きますよ。
殺菌効果、食欲増進、二日酔いや乗り物酔いの胸焼け・吐き気解消、そして
リフレッシュ効果が高いです。
消化器系のトラブルに有効ですが、生で食べると刺激が強すぎるので、
ハーブティがよいでしょう。
頭が痛いときにコメカミに貼るという手もありますよ。
アロマでは、イライラ感が強いときや興奮状態などの激しい精神症状を
鎮めてくれますし、眠気を覚まし、集中力アップに役立ちます。
なんだかもやもやしてやる気も起こらない、なんてときにもいいですね。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
薄荷の性質は涼性、昇、散の働きがあります。
五味は辛味です。
臓腑では肺と肝に入ります。
発散する力が強いので、身体が熱くて咽喉が痛いタイプの風邪に効きます。
宣散風熱という効能になります。
疏肝解欝、つまり気のめぐりをよくし、肝の機能をよくします。

体質的には胃腸が丈夫なほうで食べすぎぎみの方や消化不良の方、
ストレス過多だったり、血のめぐりもよくないという方に向きます。
反対に、虚弱体質で胃腸が弱い方、”陰虚”体質の方、冷え症の方には
不向きですので控えましょう。

体質や体調にあわせ、普段の紅茶に加えてみたり、お風呂に浮かべてみましょう。
暑い国ではお料理にもよく使います。
細かく刻んでごはんに混ぜてカレーと合わせたり、生春巻きの具に混ぜたり、
エスニック風の麺のトッピングにしたり、蒸し暑い日にはピッタリですね。
ベトナムではフォーのトッピングでさまざまなハーブをワサワサと入れて楽しみます。
ミント、香菜、シソ、ドクダミなどはおなじみです。
暑いときに清涼感を加えて熱いものを食べて暑さを乗り切る知恵ですね。
日本のジットリとした夏にもよいと思います。
上手に活用してみてくださいね。

さて次回は、イカを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-さくらんぼ(20090528)

2009-05-29 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ここ茨木市で新型インフルエンザが発生し、ちょっとたいへんでしたが、
ようやく落ち着いてきました。
とはいえ、うがいや手洗いなどの予防は当分しっかりしていきましょう!

今日は初夏の果物、さくらんぼです。
桜の実です。桜はバラ科の落葉樹。
丸くて赤い小さな実がなりますね。
春を彩る桜は観賞用で、実はなりますが、大きくはなりません。
山形県の有名な佐藤錦、高級品のイメージですが、珍しさも手伝って非常においしいです(^^)
果肉が赤黒いアメリカンチェリーも甘味が強く、やみつきになりますね。

歴史的には、日本には江戸時代に清から家具や彫刻用の木材として伝わり、
食用は明治初期にドイツから伝わってきたそうです。
旬が短いので、季節を感じる味覚として、味わいたいですね。

栄養としては、主成分は糖質ですが、
ビタミンA、B1、B2、C、E、カリウム、鉄分、葉酸、リンなどが含まれます。
アメリカンチェリーの色はポリフェノールの一種のアントシアニンです。
これは毛細血管を強化し、目の疲れの回復に効果があります。

酸味のもと、レモンやオレンジに多いクエン酸がさくらんぼにも多く含まれますが、
これは疲労回復や老化防止に役立つだけでなく、
カルシウムの吸収を高める働きもありますよ。
骨の強化にいいでしょう。
豊富な鉄分と葉酸は貧血予防にいいですね。
カリウムは体内のナトリウムを排出する働きがありますので、
高血圧予防や利尿効果がありますし、むくみにもいいでしょう。

最近の研究ではメラトニンが含まれているという報告があり、
これは睡眠を促進しますので、不眠ぎみの方は試してみてください。

さくらんぼの実は小さくて、そのうえ真中の種がけっこう大きいので可食部分はわずかです。
ですので栄養価的にはそれほど期待できるものではありませんが、
この時期だけの果物ですし、造血ビタミンである葉酸を効率よく摂取するために
ちょっと奮発してみてはいかがでしょうか。

さて、漢方的に見ていきましょう。
性質は熱性、潤作用があります。
臓腑では脾・胃に入ります。

熱性ということは、虚弱体質で胃腸の弱い方や、
冷え症のきつい方にはとてもおすすめできる果物なんです。
逆に、熱っぽい方や”陰虚”体質の方には向きません。
余計に症状が重くなります。
喘息や肺炎などの熱症状がある方は注意が必要です。

東洋医学的効能としては、
益脾調中止痢、つまり胃腸の働きをよくして消化吸収力をつけ、
下痢を止めるという働きです。
他にも女性にとって嬉しい美顔効果があります。

虚弱体質の方の体質改善のためにおすすめなのがさくらんぼのお酒です。
甘くなくてもいいので、旬のものを1キロほど買い求め、
洗って水分をよくふき取った軸つきのさくらんぼを
焼酎1.8リットルに砂糖150グラムと一緒に漬け込みます。
冷暗所に3~6ヶ月置き、さかずき1杯ほどを毎日飲みます。

こうすれば、さくらんぼを旬を過ぎても楽しむことができますし、
熱を加えていないのでクエン酸やビタミンCが減らずに、栄養を上手に摂ることができます。
ただ、糖分が多いので、糖尿ぎみの方は注意してください。

さて次回は、暑くなると爽やかなミントの香りがうれしいものですが、
ハッカについて取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


春の味覚-あすぱらがす(20090521)

2009-05-22 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ここ茨木市でも発症している新型インフルエンザ感染を予防するために、
マスク着用、うがい・手洗いの励行をお願いします!

さて、今日はユリ科の植物、アスパラガスです。
原産は地中海、日本には江戸時代に入ってきましたが、鑑賞用でした。
食用になったのは明治時代で、最初はホワイト・アスパラガスでした。
今ではメジャーになったグリーン・アスパラガスは昭和40年代以降です。
意外と新顔な野菜ですね。

遮光栽培したものが白アスパラで、ヨーロッパでは春を告げる味覚として
たいへん珍重されているそうですよ。

名前のもとになっているのが栄養素のアスパラギン酸。
アミノ酸の一種で、新陳代謝を活性化し、たんぱく質合成を高めます。
滋養強壮、疲労回復に効果があります。

カロチン(ビタミンA)やビタミンC、Eも多く、抗酸化作用、つまり老化防止や
美容にもいいってことですね。
穂先にはルチンという成分があり、これは血管を丈夫にして、
高血圧や動脈硬化の予防になります。

そして、貧血の方にはうれしい葉酸が豊富に含まれていますので、
不妊治療中のみなさんや妊婦さんにもぜひおすすめしたい食材です。
野菜のなかで最も葉酸の含有率が高いそうですよ。

といってアスパラをたくさん食べるとおしっこが臭くなることがあります。
これは体質によるそうなんですが、男性に多いそうです。
これはアスパラにふくまれる代謝物質のせいですが、健康に害はありませんので
ご安心ください。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、潤作用があります。
臓腑では肝、心に入ります。
五味では苦・辛味です。
東洋医学的な効能は、
止咳、つまりセキを止めます。
生津止渇、つまり唾液などの分泌を促し、のどの渇きを止めます。
痒みを止める作用もありますね。

体質的には、万能選手です。
もちろん食べすぎはよくありませんが、どのような体質の方にもOKです。
優秀ですね!

西洋・東洋を問わず優れもののアスパラ。
調理が簡単で火も通りやすく、彩りもきれいですから、
これからの季節もっともっと摂り入れていきたいですね。
サラダやパスタが定番ですが、炒め物や、お肉で巻いて焼いたり、
てんぷらなどの揚げ物にもいいですよ。
和風であれば、ごま和えや焼き浸しがとってもおいしいです。

選ぶときは、穂先が開いてないものにしましょう。
根元の部分は硬いので、切り取ってくださいね。
水分が多い野菜ですから、保管するときはシナシナにならないよう、
ラップなどにくるんでおくほうがいいですよ。

色や姿は個性的だけど、クセがなくて何にでも合う万能野菜。
栄養価もバツグンです。
おいしくいただきましょう!

さて次回はさくらんぼを取り上げてみましょう。
可愛らしい果物ですよね。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


にんにく(20090514)

2009-05-15 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は年中台所に常備されている香味野菜の一つ、にんにくを取り上げます。
さまざまなお料理のベースに、香りづけに、とっても重宝しますよね。
食欲をそそる匂いです。

にんにくはユリ科の植物で、球根を香辛料として使います。
茎はニンニクの芽ですが、これもまた香り豊かな香味野菜ですね。
歴史は古く、古代エジプトでも栽培されていました。
日本には8世紀頃には渡ってきたみたいですが、広く食べられるようになったのは
明治以降のようです。
年中出回っていますが、旬は5~7月頃が収穫期です。

栄養成分としては、たんぱく質、糖質、ビタミンB1、B2、ナイアシン、C、カリウム、
リン、鉄、カルシウムなどですが、一番有名なのがアリシンという物質です。
これがにんにく臭のモトですね。
これはビタミンB1と同じ働きをします。
つまり、炭水化物を分解してグルコースになるのを助けますので、
脳の活性化や疲労回復などに役立ちます。
ビタミンB1は酵素によって分解されてしまうのですが、アリシンは分解されにくく、
長時間働きますし、B1の吸収を高めてくれます。
抗菌作用、抗ガン作用、血糖値の降下作用も認められています。
また、免疫力を向上する働きもあるそうですよ。

ただし、熱に弱いという弱点がありますので、上記の作用を期待するには
生で食べないといけませんね。
加熱するとアリシンはアホエンという物質に変わり、
これはまた血流をよくする働きがありますのでいいのですけど。

そして、マイナーですが、スコルジニンという成分が含まれており、
これは疲労回復や食欲増進に効きますが、精子の増殖を促す作用があるんです。
ですから、にんにくは強精作用があるといわれているのです。

それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、昇作用、散作用があります。
五味は辛味、臓腑では肺、脾、胃に入ります。
小毒がありますので、食べすぎはよくありません。
効能としては、
除風寒、風邪の予防。
温胃破積消食、胃を温め、食べすぎによる食の停滞を取り除きます。
ほかにも咳を止める働きや、腫れ痛みを改善する働きもあります。

次に体質ですが、
体に熱がこもっているタイプの方には向きません。
“陰虚”体質の方もよくないですね。
目やにや痰がからみやすい方もよくないでしょう。
他にも、アトピー性皮膚炎、ニキビができやすい人、高血圧の方も控えめにしましょう。
では、どんな方に向いているのかというと、気や血のめぐりが悪い方や、
冷え症の方によいのです。
体が温かい、熱い方は不向きで、冷えてる方によい、と覚えましょう。

ですので、よく男性不妊の方でサプリを摂取される方がいらっしゃいますが、
熱が多いタイプの方が飲むと余りよろしくありませんので、
ご自身の体質をよく見極めてからにしてくださいね!

どうでしょう。
にんにくはスタミナがつくからなにがなんでも! と考えていらっしゃいませんか?
どちらかというと、疲労がたまり、だるいときなどに、少し摂るのが効果的です。
普段からたくさん食べる必要はないでしょう。
油との相性がよいので、緑黄色野菜も一緒に、お肉を調理するときに使いましょう。
鍋の油に投入してから火にかけ、ゆっくりと香りを出すように火を通すといいです。
焦げやすいので注意してくださいね。
イタリア料理に欠かせない香辛料ですよね。

寒気がして節々が痛い、という初期の風邪にもいいですが、
咽喉が痛くて発熱してしまったときはもうよくないですよ。
スポーツ選手をはじめ、疲労回復のためににんにく注射という手段があるようですが、
あまりおすすめはできませんねぇ。

さて次回はにんにくと同じユリ科ですが、匂いは全然きつくない野菜を取り上げましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


春の味覚-ちんげんさい(20090507)

2009-05-09 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ゴールデンウィークはいかがでしたか?!

今日は中国野菜のチンゲンサイについてです。
青梗菜、と書きますが、油菜ともいうそうです。
確かにアブラナ科の野菜なんですね。
30~40年くらい前に日本に入ってきたそうなので、比較的新しい野菜ですね。
日本ではハウス栽培されることが多く、一年中出まわります。
路地ものでは、冬のものが霜にあたって葉がやわらかくなり、おいしいそうですよ。
プランターなどでも比較的簡単に栽培できるそうですので、家庭菜園向きです。

緑黄色野菜ですので、ベータ・カロチンが豊富です。
油との相性がいいので、調理の際は炒めるのがおすすめです。
すぐに火が通るので、手早く炒めればビタミンCも残ります。
カリウムやカルシウムなども多く、胃酸を中和して胸焼けを解消します。

そして注目したいのが葉酸です。
造血ビタミンですね。
不妊症の方や、妊婦、授乳中の女性の味方です。
チンゲンサイには鉄分も含まれますので、貧血予防のためにはとてもいい野菜です。

さて、漢方的に見ていきましょう。
性質は涼性、降作用があり、五味は甘、苦、辛味です。
臓腑では、心、肝、脾、胃に入ります。
清熱作用といって、体の余分な熱をさましてくれます。
通利胃腸作用は、胃腸の老廃物を取り除き、健康にしてくれます。
破結散血作用は、血行障害を改善してくれます。

体質では、一番向いているのは食べすぎ・飲みすぎで消化不良ぎみの方です。
熱っぽい方、高血圧の方、「陰虚体質」の方にもよいでしょう。
逆に、冷え症だったり、もともと胃腸が弱いタイプの方には向きませんよ。

ちょっとこのところ食べすぎちゃってるなっていうときに、ぜひどうぞ!
クセがないですし、あく抜きもいらないので、手軽に使える野菜です。
私はシンプルな青菜炒めが好きですね。
塩味か、ちょっとオイスターソースを効かせるとおいしいですよ~♪

さて次回は精がつく! として有名なニンニクを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


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