漢方薬-当帰芍薬散(20080814)

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漢方薬-当帰芍薬散(20080814)

2009-01-22

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

みなさんは漢方薬を飲んだことがあるでしょうか。
風邪のひきかけに「葛根湯」や、花粉症に「小青龍湯」など、
一度は聞いたことがあるのでは。

今日は不妊治療をされている方に有効な漢方薬のひとつをご紹介したいと思います。

“不妊”治療をされている方でしたら、病院で漢方薬を処方されて
飲まれておられる方も多いと思います。
ポピュラー(?)なのが【当帰芍薬散】(とうきしゃくやくさん)ですね。
漢方薬というのはものすごくたくさん種類があるのですが、
なぜか”不妊症”となるとたいがいこのお薬になるのですねぇ。
多くの方が毎日飲まれているわけですし、
今日はちょっとこのお薬について説明してみましょう。

漢方薬はさまざまな漢方生薬が配合されていますが、
その名前がそのお薬の生薬成分を表していることがよくあります。
当帰芍薬散、ですから当帰と芍薬はもちろん、他には
ビャクジュツ、センキュウ、ブクリョウ、タクシャで構成されています。

当帰は補血と散寒の働きが強いです。
血管を拡張して血行を促進しますから、冷え症の方には有効ですね。
芍薬は補血斂陰、緩急止痛ということで、当帰と合わせて血虚に効きます。
わかりやすくいえば貧血の方に有効ということですね。
ビャクジュツは補脾、燥湿で、消化不良や食欲不振の解消に有効です。
センキュウは活血理気作用が強く、血管拡張や血流増加に有効です。
ブクリョウは利水滲湿ですので、利尿して余分な水分を排泄します。
タクシャも利尿ですね。

全体として(漢方薬は組み合わせが大事なんです)、
血虚を補い、脾を補って、利尿する、という働きです。
脾というのは消化に関わる臓で、血をつくるところです。
要するに、血を補って、おしっこも出すわけです。
貧血があって腹痛やめまい、生理不順、生理痛などがある方に向いています。
体質的には、体力が余りなくて、色白でやせ型、疲れやすく、冷え症、貧血、
頻尿、むくみ、といった症状がある方ですね。

こういったタイプの方の不妊症には有効なのですが、
「私、全然タイプ違うわ」と思われた方は、飲まれても余り効かないかもしれません。
お近くに漢方医がいらっしゃったり漢方薬局があればそちらで、
あるいは漢方薬に詳しい鍼灸師にお確かめください。
(ただし、鍼灸師は漢方薬を処方することはできません)

体質が合えば、体があたたまって冷え症が楽になり、
貧血や低血圧、生理不順や生理痛、肩こりやむくみなどもましになりますし、
妊娠にもつながります。妊婦さんにとっても安産の薬として有名です。

合わない場合は、たまに胃の調子が悪くなってしまったり、
便秘になったりする方もいらっしゃいます。
「漢方薬は副作用がないから安心!」というのは間違いです。
調子がよくないのに、我慢して飲み続けないでくださいね。
もっとあなたの体質に合った薬があるはずですから。

漢方薬は基本的に一日3回飲んでいただくものです。
バッチリ合ったお薬をしっかり飲んでいただくことで、非常に高い効果が期待
できます。鍼灸治療と合わせて、相乗効果、ですね。
とくに、煎じ薬が効きますよ♪

当院では提携している漢方薬局で処方してもらっていますが、
服用されるようになってから「前のような冷えを感じなくなった」「基礎体温が
上がった」
という方はもちろん、「生理痛がましになった」「お肌の状態がよくなった」
などの感想が寄せられています。
もちろん、その方に一番合ったお薬を飲んでいただいています。
治療が進むに従って、お薬も変化していきます。
苦くて飲みにくい、と敬遠されがちな漢方薬ですが、良薬口に苦し、です。
ちょっと見直してみませんか?

さて次回は、漢方薬第二弾です。

それでは、また次号でお会いしましょう!



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