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いりばくが(20090430)

2009-05-01 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
季節が逆戻りしたような一週間でしたね。
体調を崩されていませんでしょうか。

今日はまるっきりサプリともいえないけど、漢方生薬ともいいにくいし、
というものを紹介します。分類すると食品に入るのだと思います。
“炒り麦芽”といって、粉末になったものが販売されています。
不妊治療ではけっこうメジャーなので、飲んでいらっしゃる方もあるかもしれませんね。
麦芽といえば、最近ではビールを連想される方のほうが多いかな?
昔は”○ロ”という飲料が有名でしたね。♪強い子のっ ○ロッ!♪

いったいこの正体はなんでしょう?
麦とはいっても大麦ですね。大麦はあまり見たことがないかもしれませんが、
押し麦はあるでしょうか?
丸いままの大麦よりは押し麦の形のほうがよく見かけると思います。
白米に混ぜて炊くと麦ごはんになりますね。
ちょっと前までは貧乏くさいとかなんとかで敬遠されていたのですが、
今は食物繊維もミネラルもいっぱい、ということで見直され、雑穀米を常食
される方が増えました。よいことです(^^)

麦芽というからには、麦の芽、なんですよ。
大麦を発芽させてもやしにして、それを乾燥させたものが麦芽です。
いわば乾燥麦もやしです。
発芽玄米はみなさんご存知だと思いますが、発芽大麦、と考えてもらったらいいでしょう。
それをこんがり炒ったものが”炒り麦芽”なんですね。

だから、麦を買ってきて水につけて発芽させ、それを干してフライパンで空炒りしたら
自分でつくれます。
それを煎じて飲んだら同じなんですが、今では粉末になって個包装された
便利なものが市販されています。

もともと大麦は消化を助ける働きが強く、胃腸のお薬です。
食べすぎて消化不良をおこしたときなど、大麦飯を炊いて食べるといいんですよ。
小麦粉でできたパンや麺類などよりずっといいですね。
ただし、胃腸が弱い方には向きませんので、無理して食べないようにしてください。

漢方的には、
清熱消渇(せいねつしょうかつ)、身体にこもった余分な熱をさまし、
糖尿病に効きます。
益気調中(えっきちょうちゅう)、元気を高めて胃腸の機能を回復します。
寛腸消積(かんちょうしょうせき)、整腸して食滞(食べ物の滞り)を解消します。
などといった働きがあります。

ではその大麦の麦芽となると、同様に消化促進や整腸作用があります。
また、生だと母乳の出をよくし、炒ったものだと離乳に役立つ、とされています。
炒り麦芽は昔から断乳の際に利用されてきました。

母乳の出はプロラクチンというホルモンが深くかかわっていますので、
現在では「高プロラクチン血症」と診断された方が飲むとよいと解釈されています。
このホルモンが高値になると、基礎体温がガタガタになり、着床しにくい状態になります。
授乳中は次の子どもを妊娠しにくいのはこのホルモンの働きによります。
早く断乳して次の妊娠に備えるために古くから炒り麦芽が利用されてきました。
つまり、妊娠しやすくなるというわけですね。
というわけで、高プロラクチン血症で不妊となっている場合に、
この炒り麦芽が利用されるのです。
基礎体温(とくに高温期)がガタガタの方や、低温期から高温期への移行が
スムーズではなく、徐々にしか上がらない方、月経前に胸のハリがきつくなる
といった症状がある方に向いているでしょう。
テルロンなどの高プロラクチン血症治療薬で副作用が出た方も安心して服用できます。

漢方薬でも「麦芽」として古くから伝わるものですし、
一度試してみてもいいのではないでしょうか?

さて次回は中華料理でおなじみの緑の野菜です。
青梗菜、どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


うめ(20090423)

2009-05-01 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

おにぎりの具の定番、梅干でおなじみのウメ。
日本の食卓には欠かせない地位をキープしています。
梅干以外にも、梅酒、梅シロップ、梅酢、といった形で食用となるほか、
漢方薬では”烏梅(うばい)”として利用されています。
花は観賞用とされ、各地に梅園がありますね。
日本の風土に古くから溶け込んでいます。

今日はこの梅について掘り下げてみましょう。
何気なさすぎて、意外と知らないこともあると思いますよ。

梅は薔薇科の植物、開花時期は1月下旬から4月初旬、よい香りがします。
「馥郁(ふくいく)」という言葉は梅のためにあるもので、「とってもよい香り」
という意味なんですよ。
「馥郁たる梅の香り」・・・今度使ってみましょう!

梅干は梅雨の頃に実を収穫して作るのですが、
梅の実がなる頃に雨が多いことから”梅雨(つゆ)”というのですよ。

ウメの実の成分として有名なのは”クエン酸”ですね。
これはレモンなどの柑橘類や酢などに含まれる酸っぱい味の成分です。
身体のエネルギーを生み出すために必要ですし、乳酸を分解して
排出するので、疲労の回復や老化防止の効果が高いのです。
乳酸というのは身体の疲労物質なんですね。
これが体内に蓄積することによって身体が疲れたり、筋肉痛になったりするわけです。
激しい運動をした後には酸っぱいものを食べましょう!
ちなみに血液中の糖分の燃焼が良くなり、血糖値が正常化します。
中性脂肪やコレステロールがたまりにくくなります。
ということから、糖尿病、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中の予防になります。

また、腎臓の機能を助け、老廃物の排泄を促すので、血液サラサラ効果があるそうです。
弱アルカリ体質をつくるので、病気に対する抵抗力を高め、免疫力が向上します。
カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルを吸収しやすくするのは
「キレート作用」ですね。
通常は吸収されにくいのですが、クエン酸を一緒に摂ることで、吸収率がアップします。
他にも美肌効果であったり体脂肪の分解促進だったり、美容効果が高いです。
なんだかいいことばっかりですね(^^)
他にも抗菌作用だったり抗ガン作用だったり、きりがないほどたくさんの働きがありますよ。

それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は降作用をもち、収れんの働きがあります。
臓腑では肝、脾、肺、大腸に入ります。
生津止渇、つまり唾液などの分泌を促し、口の渇きを止めます。
渋腸止瀉、つまり腸の機能を回復させ、下痢を止めます。
漢方生薬の烏梅は下痢や吐き気を止め、解熱や咳止めによいとされます。
『本草綱目』では「肺を斂め、津を生じ、痰を化し、気を下し、煩を除き、
熱を清くし、腸を渋らし、回虫を安んじ、中を調え、悪肉を去る」とあります。

この”収れん”という作用は、血圧の高い方や熱っぽい体質の方には
非常に有効です。高脂血症だったりドロドロ血が気になる方にも向いています。
ただし、そうかといって梅干をたくさん食べ過ぎるのは塩分過多になりますので
いけませんよ。梅肉エキスのほうがいいですね。
逆に、胃腸が弱い方や気のめぐりが悪い方には余りよくありません。
控えめにしておきましょう。
といっても体調が悪いときにおかゆと梅干1個を食べるくらいは全然大丈夫ですよ!
むしろ、おすすめします。

梅干も調味料として使うとレパートリーが広がります。
和え物や煮物に加えるといいですね。
魚の生臭さをおさえたり、爽やかな酸味が食欲を増したりします。
おいしい梅干を常備しておきたいですね!

さて次回はサプリなのか漢方薬なのか? 炒り麦芽をとりあげてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090416)

2009-04-23 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
すっかり葉桜になりました。
ポカポカ陽気が眠気を誘いますね!

今日は春の味覚からはちょっとはずれますが、同じく食がテーマです。
あなたのお夕飯のおかず、メインディッシュはどんなメニューでしょうか。
お肉とお魚を半々に? やっぱりお肉が多いかな?
お肉といっても、牛肉、豚肉、鶏肉、他にも羊肉や馬肉なんかもありますね。

たんぱく質は人間にとって非常に重要なエネルギー源です。
ただ、現代人は動物性たんぱくを摂り過ぎている傾向があります。
大事だからといって、毎食お肉を食べないといけないわけではありませんよ!
良質のたんぱく質を摂取するために、それぞれの性質を知っておきましょう。

さて、毎日牛肉というのも経済的にたいへんですし(^_^;)
脂も気になるところですね。
ですので豚や鶏の出番が多いのが普段の食卓ですよねぇ。
というわけで、今日は庶民の見方(!)鶏肉についてお話していきましょう。

ニワトリは代表的な家禽で、世界中で日常的に食用とされています。
日本ではブロイラーが一般的ですが、最近では地鶏の良さが見直され、
各地の特産品として全国区になってきていますね。
名古屋コーチンや比内鶏なんか有名です。

牛肉や豚肉と比べると、鶏肉は脂肪が少なくてヘルシーだと一般的にいわれます。
ただし、皮の部分に脂肪がありますので、皮つきでいただくと
けっこう脂が多いんです。
気になる方は皮を取り除いて調理するようにしてくださいね。
ただ、手羽先などはコラーゲンがたっぷりですので、もっと利用して
いただきたいです。

コラーゲンというのはたんぱく質の一種で、鶏の皮膚や軟骨部分に非常に多く
含まれています。
お肌や髪をつややかにし、関節の潤滑油となり、目にもいいですし、全体的に
老化を防ぐというステキ♪(笑)な成分です。
でもね、ビタミンCを一緒に摂るのがポイントですよ!
必ずお野菜もしっかり食べてくださいね。生野菜や果物だけでなく、お芋などは
加熱してもビタミンCが壊れにくいのでおすすめです。

鶏肉のたんぱく質で特徴的な点はメチオニンという成分が多いことです。
これは必須アミノ酸のひとつですが、血液中のコレステロール値を下げ、
活性酸素を取り除く作用があります。
人間の体内では作り出せないので、食物から摂り入れる必要があります。
主に肝臓で働き、毒素や老廃物を排除して代謝を促進してくれるんです。
不足すると肝臓の機能が衰え、コレステロール値が上がったり、
動脈硬化やむくみの原因となったり、感染症にかかりやすくなったりします。
また、脂肪肝を予防する働きがありますよ。

では漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、潤し、気を昇らせる働きがあります。
臓腑では脾と肺に入りますが、五行でいうと木性、つまり肝臓のグループです。
肝といえば東洋医学では春の季節と関係がありますよ。
というわけで、西洋医学的にも肝臓によいとされるところは共通ですね。

効能を見てみると、益気養血、つまり気と血を補います。
温中補脾、つまり胃腸を温めて丈夫にします。
そして、補腎益精、腎の機能を回復して生殖機能を高めます。

どういう体質の方に向いているかといえば、やはり胃腸が弱い方です。
自信のある方でも、ちょっと体調を崩したときとか、病み上がりだとか、
そういったときには鶏肉のおかゆを食べるといいですよ!
逆に、体力があって常に食べすぎている方や、高血圧ぎみだったり
熱っぽい方には向きません。
身体に余分な熱をこもりやすくしますので、症状が悪化します。
また、冷え症の方にもそれほどよい働きをしてくれるわけではありません。
食べ過ぎると負担がかかりますので、控えめがよいでしょう。

鶏のきも(肝臓)、レバーは、文字通り肝臓の弱い方に向きます。
鳥目や貧血の方は鉄分やビタミンB2の補給ができますので、
積極的に摂るといいですね。

もともと高たんぱく、低脂肪でヘルシーな鶏肉なんですが、
現代ではブロイラーの普及で脂肪分が高くなりつつあるようです。
皮付きのモモ肉のから揚げ、となるとかなりカロリーだったりします。
脂肪が気になるのでしたら胸肉やササミ、美容のためには手羽先の煮込み
といったように、上手に利用しましょう。

私は塩コショウしお酒をふりかけて一晩置き、網焼きにするのが好きです。
簡単でしょ。脂が落ちていいんですよ。
インド料理のタンドリー・チキンも大好きです♪

さて次回は梅を取り上げてみましょう。
ん~ 口の中に唾が湧いてきますね(^_^;)
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090409)

2009-04-09 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
今年は入園式や入学式まで桜が長持ちしましたね。
お気に入りの花見スポットへは行かれましたか?

今日はセロリがテーマです。
今も「西洋野菜」の扱いをされているようですが、実は加藤清正が文禄・慶長の役の際に
日本に持ち帰ったとされ、”清正人参”と呼ばれることもあるのです。
ただ、あの独特の香りのために日本では普及しなかったようです。
戦後になって食の洋風化が進むと同時に盛んに食べられるようになってきました。

セリ科の植物ですので、食欲増進、精神安定、疲労回復に有効とされ、
ヨーロッパでは古くから強壮剤や整腸剤として薬用に使われていたようです。
地中海沿岸が原産で、涼しい高地の気候を好みます。

苦手な人も多い野菜ですが、その原因ともなるのがアピインという精油成分です。
これがセロリの効果にもかかわっているのですね。
これは中枢神経を安定させる働きがあるとされています。
ストレス解消、食欲増進、頭痛にもよいそうです。

栄養成分としては、カリウム、カロチン、ビタミンB1、B2、C、E、U、
カルシウム、鉄などが含まれています。
カリウムは利尿作用があり、血圧降下に有効です。
ビタミンUというのは潰瘍を治すビタミンとして有名で、胃や腸の粘膜を保護する
働きがあります。
便秘予防のためにセロリを食べる方も多いかもしれませんが、確かに食物繊維が
多いですね。
コレステロール値も下げてくれますし、大腸ガンなどの予防も期待できるでしょう。

ただし、こういった効果的な成分は茎よりも緑の葉っぱのほうに多く、
できれば葉がいっぱいついたものを求めて、一緒にいただくようにしてくださいね。

それでは漢方的に見ていきましょう。
セロリは中国では芹菜といいますよ。
性質としては、涼性で、気を降ろす作用があります。
臓腑は、肺、肝、脾胃に入ります。
味は甘味と微苦、微渋、です。
効能として、平肝清熱作用が強く、これは肝の熱をさまして機能を正常に
することです。
調経化オの作用は血行をよくし、生理不順に有効です。

体質としては、血圧が高く、イライラしがちで怒りっぽく、寝付きにくい、
といった気の上りやすいタイプの方には非常に向いているといえます。
普段から食べすぎだったり、消化不良ぎみの方にもよいでしょう。
逆に胃腸が弱い方や冷え症の方にはよくありません。
毎日たくさん食べると避妊作用があると言われるぐらいですので、
男性も含めて、不妊治療をされている方は摂りすぎに注意が必要です。

ストレスがたまってイライラし、つい食べすぎちゃう、という方にはおすすめ
できますね。
そうでない体質の方でも、この季節、ちょっと気がたかぶってしまったときなど、
香り野菜を上手にとりいれてみてください。

セロリは傷みやすい野菜です。
実は残留農薬がかなり多く検出される野菜なんですね。
できるだけ新鮮なものをもとめ、よく水洗いしてから使ってください。
とくに茎の内側をきれいに洗いましょう。
無農薬有機栽培のセロリが手に入る場合は、絶対そちらがおすすめです。
安全なだけではなく、とっても甘くておいしいのですよ!
私はポトフやスープなどにたっぷり入れて食べるのが好きですね。

さて次回は旬とはちょっと関係ないかもしれませんが、
鶏肉をとりあげてみましょう。
なぜって、東洋医学では、鶏肉は春と関係があるんですね。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090402)

2009-04-04 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
新年度に入りました。
馬場聖鍼堂もリニューアル・オープンしましたよ!
はりきっていきます!!

今日はアサリについてのお話ですね。
“アサリ”の語源は「漁る」だそうです。
貝類のなかでも馴染み深いほうですよね。
日本では弥生時代の貝塚から殻が発見されているくらい、
食用としてかなり古い歴史があります。
4センチほどの二枚貝で、海岸の浅くて塩分の薄い砂の中にいます。
潮干狩りで”収穫”するのはこの貝がほとんどですね(^^)
でも本来は沖のほうに住んでいる薄くて平べったいもののほうがおいしいんですって!
時期的には春頃が一番旨味も増しておいしく、夏場は中毒が心配になり、
冬場はやせておいしくないんだそうですよ。

栄養価ですが、かなり優秀な食材ですよ。
まず、鉄分とビタミンB12が豊富です。
鉄分は佃煮にすると生より3倍以上増えるそうなので、アサリの佃煮を
常備しておきたいですね。
そして、ビタミンB12は葉酸とともに血液中のヘモグロビンの合成を助けます。
ですから、貧血気味の方には非常に有効です。
神経の働きを正常に保つ機能があるそうで、不足すると手足がしびれることがあるようです。
これは貝類のなかでも最高の含有率ですよ。
鉄分やVB12は水に溶けやすいため、調理したらそのスープまで一緒にいただくのが
ポイントです。

旨味成分のコハク酸も豊富です。
昔習った「クエン酸回路」を構成する化合物ですね。
これは糖の代謝に関わりますよ。
新陳代謝をよくする働きです。

他にもタウリンというアミノ酸も多いのですが、これは血圧を正常に保ち、
肝臓の機能を促進します。
コレステロールを排出させる働きもありますし、二日酔いの予防にも!

まず、性質は微寒。
臓腑では、肺、胃、脾、腎に入ります。
五味としては、カン、つまりしおからみ、です。

潤し、降ろす作用がありますので、”陰虚”体質の方には最適です。

効能として、
潤五臓止消渇といって、五臓を潤わせて補養し、糖尿病に効果があります。
清熱化痰止咳は、身体にこもった余分な熱をさまし、痰の多い咳を鎮めます。
制酸止痛、胃酸を中和して胃の痛みや胸やけを緩和します。
ほかにも、湿疹ややけどにもよいそうです。

胃腸が弱い方、冷え症の方は控えめにするといいでしょう。

糖尿病や甲状腺機能低下症の方は常食されるといいようです。

漢方ではアサリの殻も生薬として効能があるとされていますので、
やはり殻のエキスも摂取できるよう、殻つきのまま汁物にするのが一番いいですね。

調理の前には砂をはかせましょう。
3%ぐらいの塩水に2時間ほどつけておくだけです。

貧血が気になる女性の見方であるアサリ、一番おいしい時期にたっぷりいただきましょうね。

さて次回は意外に春が旬の野菜、セロリをとりあげますよ。
ちょっと注意が必要だったりもします。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090326)

2009-03-27 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
花冷えの日が続いていますが、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
まだまだ冬物は手放せませんね。

さて、あなたは”プラセンタ”というのは聞いたことがありませんか?
美容のためのサプリとして、エキスをカプセル剤で服用したり、
時には注射で注入したりすることもあります。
“プラセンタ”とは、実は胎盤のことなんです。

胎盤はご存知ですね。
お母さんのお腹にいるとき、胎児に酸素や栄養分を送り、臓器の働きの代わりもします。
赤ちゃんの発育のために必要なことはすべて胎盤が行っているのです。

赤ちゃんが無事に育って産まれると、もう必要でなくなった胎盤も外に排出されます。
野生動物は、お産の後、この胎盤を食べてしまいます。
お産によって弱った母体にとって非常に貴重な栄養となるのです。

その驚くべきパワーから、美容目的で使用されるようになりました。
美白効果、たるみやしわの改善、若返り、ホルモンバランスを整える、疲労改善、
痩身、そして欝症状の緩和やストレス耐性を向上させるため、などの目的で
広く支持されています。

健康食品や化粧品にも”プラセンタ”を謳っている商品も多いですね。
比較的新しいイメージがあるかもしれません。

でも、実はこの”プラセンタ”=胎盤 は漢方生薬として昔から利用されてきたんです。

生薬のテキストである『和語本草綱目』を見ると、「人胞」として掲載されています。
一名を”紫河車(しかしゃ)”といい、
「虚損を補い、心を安らかにし、気を益(ま)し、腎を滋し、てんかん失心を治す」とあります。

この生薬、腎を補うために非常に有効です。
西洋医学の現場でも更年期障害の方の治療に使われていることからも
その有効性は証明されています。
不妊治療をされている方で、若年性の更年期障害が出ておられる方や、
慢性病や大病によって身体が弱っておられる方にはおすすめできる天然由来のお薬です。

現代では昔ながらの製法の紫河車は手に入りにくいので、
“プラセンタ”として販売されているエキス剤を利用します。
安全性や有効性が信頼できる製品を選びたいですね。

クリニックでFSHの値が高いと言われた方、あきらめる前に一度試してみられては
いかがでしょうか。
ただし、かなり高価なものです。
そして、1回飲んだからといって劇的な変化が期待できるわけでもありません。
しばらく続けていただかないといけないのですね。
ですから、よくよく考えて決めてくださいね。

というわけで、当院でも、特に腎臓の弱りがきつい方にはおすすめしています。
かなり有効ですよ(^^)

それでは、次回はもう4月。
春ならではの食材に戻りましょう。
春といえば、潮干狩り。
次回は貝をとりあげますよ。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090319)

2009-03-23 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
春の陽射しもまぶしくなってきましたね♪

さて、フルーツ大好きな方は多いと思いますが、
全般的に身体を冷やす働きをもつことが多いので、
不妊治療には余りよくないですよ、というお話はよくしています。
今日はそんな果物も、体質によって向き不向きがあるということをお話します。

まずは「いちご」から。
いちごが嫌いという人は珍しいほど、人気の高い果物です。
ケーキの飾りには欠かせませんし、練乳がけやいちごミルクなど、デザートの定番ですね。

可食部は「花托」といわれる部分で、種は表面についているツブツブです。
路地ものの収穫期は5,6月頃ですが、ハウスものが通年手に入ります。
でも一番出荷数が多いのはクリスマスの頃なんだそうです。

栄養面では、まずはビタミンCですね。みかんの2倍もあるそうです。
抵抗力をつけ、風邪や老化の防止に役立ちますし、美肌効果もあります。
葉酸は造血に欠かせませんので、貧血予防にもいいでしょう。
赤い色のもとはアントシアニンで、視力低下を防ぎ、肝機能を高めます。
食物繊維のペクチンも多く、便秘解消や、コレステロール、糖分の吸収を抑制してくれます。
酸味のもとはメチルサリチル酸ですが、これは頭痛や神経痛を緩和します。
カリウムは利尿と血圧を低下させる作用があります。

漢方的に見ると、まずは”寒性”つまり身体を冷やします。
そして、潤す性質、降ろす性質があります。
臓腑では肺、胃、肝に入ります。
効能としては、生津止渇、のどの渇きを止めます。
清肝熱除煩、肝臓にこもった熱をさまし、ストレス解消に働きます。
そして、利尿作用と。

以上から、のどが渇いて寒気がない風邪のときや、
“陰虚”体質の方、高血圧の方には向いているといえるでしょう。

逆に、冷え症の方にはよくありません!
冷たい水を飲むよりもずっと長時間身体が冷えてしまいますので、ご注意くださいね!

胃腸が弱い方は、少量であれば大丈夫でしょう。
一度にたくさん食べず、少量ずつ分けて食べるといいですよ。

ビタミンCは風邪の予防になるからといって、サプリやドリンクで大量に
摂取されている方も多いのですが、摂り過ぎると下痢や嘔吐の原因になります。
できれば自然な形で摂取するほうがいいですが、
果物で摂るよりは、ピーマンなどの野菜のほうが多く含まれています。
食物から取り入れるのであれば、一度に過剰に摂取することはないので安心できますね。

最近は大きな粒のいちごが人気ですし、非常に甘いものも増えています。
おいしいのでつい食べ過ぎてしまうかもしれませんが、適度に食べるようにしてくださいね。
果物は絶対食べないといけないものではありません。
生活の潤い、アクセントして、楽しんでください。

では、次回は美容サプリにもなっている漢方生薬をとりあげます。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090312)

2009-03-13 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

最近はさまざまな健康食品やサプリがありますから、どれがいいのか迷うという方も
多いのではないでしょうか。

インターネットでさまざまな情報が手に入りますから、「○○がいいらしい」とあれば
すぐさま”お取り寄せ”もできます。
ネットは便利ですよね!

不妊症によいというサプリもたくさん出ていますが、そのなかで今日は【マカ】
についてちょっと考察してみましょう。

マカをご存知でない方のために説明しておきますと、
マカは南米ペルー産の植物で、インカ帝国の頃から食されていたそうです。
標高4千メートル以上の高地という厳しい自然環境でも育つところから、
滋養食、強精食としてとても珍重されてきた歴史があります。

カブのような形をした根の部分を食すのですが、栄養価がとても高いそうです。
そしてホルモンや自律神経を調整する作用があり、そのために
不妊治療に効果的と言われています。
強精作用を期待して男性不妊で用いられることも多いのですが、
若年性更年期障害、生理不順や冷え症などにもよいとされています。

では安全性についてはどうでしょう。
ネットでよく見かけるのは「マカは天然の野菜なので、副作用は全くありません」
というものです。

確かにマカは化学的に合成された薬とは違います。
でもそんなに「安全」で「効果的」なものなのでしょうか?
ちょっと疑問を感じるところもあります。

その昔、ペルーの高地に住む人々にとってマカは貴重な栄養の宝庫だったと思います。
でも現代の、日本に住む私たちにとってはどうでしょう?
自分が住んでいる土地の旬のものを食すのが一番身体に合っていて、
一番の栄養食ですよ、といつもお話しています。
その観点からすると、どうなのかなぁって考えてしまいます。

そして、副作用がなくて安全なものだからずっと食べられてきた、
ということですが、昔からカプセルや錠剤になったものを摂取してきたわけではないんですよね。
今私たちの手に入るのは加工されたものですから、添加物については疑問が残ります。
これはマカに限らずあらゆるサプリなどに共通していえることですね。

そして、天然の野菜だからいくら食べても副作用がない、
ということですが、野菜100パーセントとしてはそうかもしれませんが、
野菜をたくさん食べるのと、凝縮したサプリの形で摂取するのと、
ちょっと摂取量の感覚が違いませんか?

これまでもいろいろな野菜についてこのメルマガでご紹介してきましたが、
必ず体質による向き不向きをお話してきたと思います。
マカも野菜であるからには、同じように合う人も合わない人もあるはずです。
マカを飲んで妊娠した! という方もたくさんいらっしゃいます。
そして、なかにはマカを飲んで下痢になった、排卵が遅れるようになった、
という方がいらっしゃるのも事実です。
あの人に効いたからといって、自分にも必ず効くとは限らないってことですね。

というわけで、どのようなサプリを選ぶにしても、
あなたにとって本当に必要なのか、体質に合うのかどうか、
長期間大量に摂取しても安全なものなのかどうか、
しっかり見極めてから判断していただきたいのですね。
そして、私としては、栄養素はできるだけ食品から摂りましょう、
ということをおすすめしたいです。
食べることは身体を維持するためにもデザインするためにも大事です。
昔の中国では”食医”という医者がその他の医者よりも一番トップだったそうです。
食べることは楽しみでもありますが、養生に欠かせないことなんです。

私も以前はいろんな栄養食品やサプリにハマりました。
でも長くは続かないんですね。
美味しくなかったり、めんどくさくなったり、高価すぎたり、効果が感じられなかったり。
さまざまな理由でいつの間にかマイブームが去ってしまいました。
今はとくに何も特別な栄養食品もサプリメントも摂っていません。
きっとそのときどきで必要なものを慎重に選んで摂っていくといいんだろうな、
と思います。
でもその前に食事を疎かにしたくないなというのがあります。
必要な栄養素を取り入れるだけでなく、その食材を作ってくれた人や、
私の代わりに獲ってきてくれた人、料理を作ってくれた人、
さまざまな人たちに感謝しつつ、命を味わっていただきたいなって思うからです。

次回はまた春の味覚に戻りましょう。
ちょっと早いのですが、くだものを取り上げましょう。
どうぞお楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090305)

2009-03-13 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
今日は”啓蟄” 暖かくなって冬眠していた虫が起きだしてくる頃です。
虫にとっても、私たち人間にとっても嬉しい春ですね!

お祝いの席には欠かせない、春が旬の魚が今日のテーマです。
メデ”タイ”ですね!
(オヤジギャグですいません)
ひな祭りで鯛を食べられた方もいらっしゃるでしょうか。
現在は養殖も増えて安くなりましたが、昔から「百魚の王」とも、
「腐っても鯛」とも言われるご馳走のお魚です。
このタイ、とっても優れた魚なんですよ。

ひと言でタイといってもタイ科のマダイを指すことが多いのですが、
他にもクロダイ(ちぬ)、キダイ(レンコダイ)、なんていうのもいます。
タイと名乗っていてもアマダイやキンメダイなどはちょっと違う分類になります。
今では天然ものより養殖ものの方が多く、年間を通じて手に入ります。
産卵を終えると味が落ちるので、産卵期の早春が一番おいしいとされていますが、
南北に長い日本ですから、獲れる場所によっていつも脂の乗ったタイが出回ります。
「腐っても鯛」といいますが、そもそもタイは鮮度が落ちるのが遅い魚で、
日にちが経ってもけっこうおいしくいただけるからなんですね。
もちろん、価値の高いものは古くなっても価値がある、という意味で使われる言葉ですけれども。
鮮度のいいものは目の上が青っぽく紫色に光っているそうなので、
ちょっと注意してみてくださいね。
ちなみに天然ものに比べて養殖ものは体の色が黒っぽく、ずんぐりしています。

さて、日本ではかなり昔から食用にされていて、縄文人も食べていたそうですよ。
江戸時代になってからずっと魚の王者の座をキープしています。
名前の由来はいくつか説があり、えびす様が釣る魚なので「めでたい」からきた説、
平安時代に呼ばれた「平魚(たいらうお)」=体型が平らなところから、という説など。
えびを好んで食べるのでその色素から赤い色になるんですが、
]そのために日本ではおめでたい魚とされてきた歴史もあり、「めでタイ」説を推したいところです。

さて、栄養面ですが、青魚に比べて脂質が少ないのですが、グルタミン酸などの
アミノ産が豊富で、ビタミンB1、B2、タウリン、ナイアシン、EPA、DHAなども含まれます。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに転化するときに必要で、生命維持に欠かせません。
B2は口内炎や眼の充血などにもいいですね。
ナイアシンというのは糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助け、血行をよくし、
アセトアルデヒド(二日酔いの原因)を分解します。

高価な魚ですが、アラだけを安く売っていることがあります。
目の下にある肉はコラーゲンが豊富で、一番おいしいところですので、
女性のみなさんにはゼッタイおすすめですよ!

次に漢方的に見ていきましょう。
性質は平、つまり寒熱の偏りがありません。
潤す働きがあり、臓腑では胃や脾に入ります。
効能としては補脾健胃、つまり胃腸を助け、消化吸収力を高めます。
利尿消腫といって、むくみを取ります。
すべての体質の方に食べていただいてよい魚で、
とくに虚弱体質で、胃腸が弱い方、老人や妊婦さん、子どもさんにもOKです。
ただ、補う力がとても強い魚ですから、普段から食べすぎの方には余りよくない
かもしれませんね。

古くから「五臓を補い、気血を益(ま)す」とされ、眼にもよいといわれています。
煮ても焼いても、お腹を温め、気力を充実させ、むくみを取る、とたいへんもてはやされています。
ですが、ちょっと待ってください。
天然ものと養殖ものを比較すると、養殖もののほうが全体的に栄養素の含有量が多く、
特に脂質やビタミンEが多いので、消化しにくくなり、バランスが悪くなっています。
ですから、昔から身体の弱った病人や老人にも最適と言われてきましたが、
これは天然ものに限ったことだと言えるでしょう。
一般的な養殖ものは、やっぱり食べすぎないほうがよさそうです。

さて、食べ方ですが、新鮮な刺身やお寿司は最高のご馳走です。
他にもシンプルな塩焼き、鯛めしやアラ汁、煮付け、酒蒸し、洋風でも中華風でもいけます。
タイは捨てるところがないと言われます。
頭も中骨も、白子も、余すところなくさまざまなお料理に使えますよ!
私は中華風のお刺身が大好きです。
白髪ネギなどたっぷりの野菜も添えて、ゴマ油風味のドレッシングでサラダ感覚で
いただきます。
砕いたピーナツや入りゴマをたっぷりトッピングするとさらに美味♪

はい、食べたくなってきたところで今日はおしまいです。
次回は春の食材はちょっと一休みして、不妊の方がよく摂られているサプリ、
マカについてのお話です。
どうぞお楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090226)

2009-02-27 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

どんよりとした雨空が多い今日この頃です。
不妊治療をされているみなさんにとって、少し前にニュースになった
香川の受精卵取り違え(かもしれない)出来ごとはかなりショックだったと思います。
高度生殖医療の現場での大きなミスの可能性に不安を覚えていらっしゃる方も
多いことでしょう。
みなさんがこれ以上動揺せず、主治医ドクターを信頼し、安心して治療を続けてくださるよう、
願っております。
そのために私たちも全力でサポートさせていただきますので、どうかご安心ください!

さて、今日は春を先取り、というわけで早春に欠かせない野菜、
菜の花を取り上げてみましょう。

アブラナ科で、キャベツやブロッコリーの仲間ですね。
花、茎、葉が食用になり、ほろ苦い風味が独特ですね。
実は地中海沿岸の原産で、日本には弥生時代に中国から渡来したそうです。
もともとは菜種油の原料として栽培されていて、食用になったのは明治以降です。

良質のたんぱく質やビタミン、ミネラルを含む緑黄色野菜です。
ベータ・カロチンはホウレンソウ並み、カルシウムは3倍ありますし、
鉄分はニラの4倍含まれているという栄養価の高い野菜です。
花が咲いてしまうと栄養価が落ちるので、つぼみが開いてないものを選んでください。
つぼみというのは開花するための生命力が詰まっているのですから!

苦味成分はアリルイソチオシアネートという物質で、ガン予防、血栓予防、
ストレス解消や疲労回復によいそうです。

ビタミンB群は体内で糖を燃やし、エネルギーに変え、アミノ酸の代謝も促進します。
つまり身体に活力を与えますので、春の眠気も吹っ飛びます!
つぼみに含まれる栄養は冬の間半分眠っていた細胞を生き返らせてくれます。
春を呼んでくれるんですね。
そういう意味でも、不妊治療向けの野菜ではないかと思っています。

さて漢方的に見てみますと、あのほろ苦さは「辛味」の分類になります。
これには”発散”という働きがありますので、気が滞りがちな方には
気の流れをよくする作用が効果的です。
そして温性がありますので、気を昇らせすぎてしまってはいけない方、
つまりのぼせやすい体質の方には余りよくありません。
胃腸の負担になりやすいので、胃腸が弱い方は食べすぎないようにしましょう。
臓腑では心・肺に入ります。

長い冬が終わり、春になると陽気が高まり、だんだんと代謝もよくなります。
人間の身体も、成長し、余分な老廃物は排出する方向に向きます。
この時期山菜や香味野菜が旬を迎え、私たちの食卓に上るということは、
こうした野菜の成長を促す作用やデトックス効果を自然から摂り入れるという
意味があるんですね。
冬から春へ、というダイナミックに環境が変わる時期を元気よく乗り切るためにも
菜の花をおいしくいただきましょう。

私はシンプルにカラシ和えが一番! と思ってますが、
炒め物やパスタにもいいですよね。
あさりとの相性がいいように感じます。貧血の方、オススメです。
下ゆでするときは塩少々を入れて、さっと火を通してください。
ほろ苦さや辛味、歯ざわりがしっかり残るように!

初物の菜の花をいただくと、春の足音が聞こえてきます。
まだまだ寒い季節ですが、着実に春は近くまで来ています。

次回は春が旬のお魚にいきましょう。
日本人が古来より愛でてきた魚です。
どうぞお楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090219)

2009-02-25 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

暦の上ではもう春なのですが、まだまだ寒いこの季節、
鍋にピッタリな海の幸を、今日は取り上げていきましょう。
海のミルクと言われるぐらい、栄養満点の食材です。
牡蠣(かき)、マガキです。
これ、”不妊症”と診断された方にはぜひとも食べてほしいものの一つです。

カキは英語ではオイスターですが、世界中で食べられているようです。
日本でもオイスター・バーが最近ではできてますけれども、
海外でも生でいただくことが多いようですね。
さまざまな種類がありますが、食用になるのはマガキやイワガキです。

おいしい時期は、マガキが寒い時期、イワガキは夏です。
日本で一番一般的なマガキの場合、暖かくなると産卵が始まり、
味が悪くなるそうですし、中毒もおこしやすくなるそうです。
「Rがつかない月(5~8月)は食べるな」と言われる理由です。
日本でも「桜が散ったら食べるな」という言い伝えがあります。

カキの栄養素で特筆したいのは、豊富な鉄分です。
貧血ぎみの方にはぜひおすすめしたいですね。
生でレモン汁をかけて食べると吸収がよくなっていいですよ。

また、カルシウムや亜鉛などのミネラルや、ビタミンA、B1、B2、B12、
葉酸などもとっても豊富なんです。
亜鉛は欠乏すると味覚障害が起こったり、肌荒れや脱毛の原因になりますが、
逆に摂り過ぎるのもよくありません。
欠乏すると生殖機能が低下するところから、不妊症の方は積極的に
サプリなどで摂取しておられますが、カキを3~5個食べれば十分一日に
必要な量を満たしますので、そのうえでさらに過剰摂取されないよう、ご注意ください。

また貝類に共通するタウリンはコレステロール値を下げたり、
血圧を下げたりする働きがあります。

グリコーゲンはカキの旨味のモトですが、これが冬場に増えるんですね。
肝臓の働きを助けてくれますよ。

さて漢方的に見ていきましょう。
私たちが食べる身の部分は温性、潤す働きがあります。
臓腑では肝、胆、腎に入ります。
五味では甘ですね。
というわけで、東洋医学的な効能として、
補虚調気血といって、血行をよくし、月経にまつわる症状を改善してくれます。
そして、美肌効果も高いといわれています。

実は、漢方ではカキの殻の部分がけっこう重要視されています。
通常の殻のことを牡蠣(ぼれい)といって、涼性があり、
五味ではしおからみがあって腎によろしいとされています。
殻を焼いて粉砕したものを使いますが、さまざまな効能があるんです。
重鎮安神、つまり精神を安定させる働き。
潜陽滋陰、つまり陰分を滋養して、のぼせを解消する働き。
収れん固渋、これは寝汗や過汗症に効きます。
他にも、筋腫などの腫れ物を小さくする働きもあります。
現代医学的にも、胃・十二指腸の潰瘍に効果が認められたり、
免疫力の向上、ガン細胞の抑制などにもよいとされていますよ。

虚弱体質の方は滋養のために少しずつ身を食べてもらい、
普段から食べすぎの方や消化不良、高血圧の方は
漢方薬として殻のほうをおすすめします。
寝汗や、潰瘍、高血圧によるめまいなどに効果的です。

通常はむき身のパックを買ってきて食べることがほとんどですか。
ぬめりや、ひだの中のよごれをよく洗い(大根おろしがgood)、
水気をよく切ってからお酒をふりかけるといいそうです。
牛乳にひたすとおいしくなる、というのも聞いたことがありますね。

お料理としては、土手鍋やカキフライがメジャーですが、おすすめはカキごはん!
とってもおいしいですよ。
洋風にスープやシチュー、グラタンにしてもいいですし、
ソテーやお好み焼きの具にもいけますよ。
旨味が凝縮した旬のカキをぜひいただきましょう。

さあ、そろそろ春を先取りしましょうか。
春が旬の野菜はとても多いです。
とくに菜っ葉類がいいですね。
どうぞお楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう。


食養生-ザクロ(20090212)

2009-02-24 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

さて、さまざまな健康ブームが訪れては消え、多くの健康食品やグッズが
脚光を浴びては消えていきます。
そんななかからいくつか取り上げて、実際にはどうなのかをみてみましょう。
今回は女性によいとされる石榴(ザクロ)です。

ずいぶん前、もう10年近くなるかと思いますが、一時ザクロ・ブームがありました。
女性ホルモンのエストロゲンに似た成分が含まれると、多くの生理不順や
不妊といった悩みを抱える女性たちがザクロ・ジュースを買い求めました。
本当に女性ホルモンの代わりになるのでしょうか?

ザクロの原産地はイラン東部から北インドのヒマラヤ山地です。
日本に伝わってきたのは平安時代と言われています。
もともとは観賞用だったようです。

甘味ザクロと酸味ザクロがあり、甘味のほうは食用、酸味は薬用、
根っこや皮、葉、花なども薬になります。
果皮は石榴果皮(せきりゅうかひ)といって、下痢止めや寄生虫の駆除の効果がある
漢方薬です。
ただし、毒もあるので注意が必要です。

ザクロの赤い実にはポリフェノール、タンニンが豊富です。
抗酸化作用や美肌、抗ガン作用があると言われます。
渋い味のもとはその一種タンニンですが、これが抗ガン、抗菌作用があると
認められています。ただし、大量に摂ると胃腸の機能を失調させます。
慢性下痢の方には便を固まらせる作用があるそうなので、いいかもしれませんね。

カリウムも多いですから、利尿作用を期待することができるでしょう。

では、東洋医学的にみていきましょう。
性質は温性、味は甘、微酸渋です。
潤し、収斂する作用があります。
臓腑では、肺、胃、大腸に入ります。

ですから、身体をあたため、血行をよくする効能がありますので、
ストレスが多く、血行が悪いという方にはとてもよいでしょう。
いっぽう、虚弱で胃腸が弱い方、”陰虚”、”陽虚”、冷え症の方にも
実はあまりよくありません。胃腸に刺激が強すぎるのです。

効能としては、生津止渇、渋腸止瀉ですので、唾液を出してのどの渇きを解消したり、
大腸の働きをよくして下痢を止める、といった働きがあります。

古典的な生薬の辞典『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には
「食べ過ぎると肺の気を損ない、歯が黒くなって、痰を生じる」と書かれています。
本来ザクロの実は食べにくく、それほど多くは食べれません。
生薬になったものはご存知の通り、とても少量で薬効があります。
それを「濃縮ジュース」にしたものを飲んだらどうなるでしょう?

国民生活センターではザクロの効能をうたった健康食品を検査し、
エストロゲンが含まれていないという結果報告を出しています。
(平成12年)

ザクロの果実を実際に見たことがありますか?
真っ赤で大きな果皮に小さな実がたくさんつまっていて、とっても特徴的ですね。
あの実がたくさん詰まった姿から、「女性の果実」とか
「子だくさん」といった見方をされるようになったみたいです。
昔は子孫繁栄を願って、高貴な女性が愛用していたようです。

もともと原産地のイランは乾燥地帯ですので、
ザクロの生津止渇作用は重要だったかもしれませんね。
インドでも食べられていましたが、砂漠に近い地方でした。

このような性質からみて、日本で生活する女性が子宝を願って毎日愛飲するのは、
ちょっと気をつけたほうがいいんじゃないかな、と思うのです。

というわけで、今回は健康ブームで一時もてはやされたザクロについて
お話してみました。最近でも飲まれている方がたまにいらっしゃいますので。
ほんの少しだったら健康を害することもないですが、益することも
あまり期待できないのではないかという思いもあります。
多くはイラン産の輸入ものですし、決して安いものではないでしょうから、
ご自分にとって本当に必要なものかどうかを考えてみてくださいね!

それでは、次回は野菜や果物からちょっと離れ、牡蠣(カキ)のお話をしましょう。
Rのつく月がおいしいとされる、冬の味覚ですね。
どうぞお楽しみに!

それでは、また次回お会いしましょう。


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